想いが叶う朝には「Vox〜んふふ〜」
小動物と錯覚するようなかわいい鳴き声を上げたその人は、そのまま俺の肩にのせた頭を擦りつけてくる。
思わず、大きなため息を吐いた。
途端にムッとしたのか、ばっとこちらを向いた彼に頭を軽くはたかれた。
再度ため息を吐きそうになって慌てて呑み込む。
Voxは、もうだいぶ参っていた。
とにかく、数時間前の自分に言ってやりたい。Ikeには飲ませるな、と。
VoxとIkeは家飲みの真っ最中であった。
久々にふたりきりでご飯に行く機会を得てウキウキでいたところに、Voxの手料理が食べたい、と驚きのご指名があったため家へ招いて料理を振る舞うことにしたのだ。
その道で生きているプロ並みだとはとても烏滸がましくて言えないが、400年も生きた鬼にとって好きな人の胃袋を掴むことなど造作もなかった。

《Crush on You》　　Vox第一次看見Ike唱歌是在一間小酒吧，青年坐在舞台一角，抒情搖滾的音樂流淌在空間中，前奏結束後Ike緩緩開口，那瞬間Vox知道自己愛上了這個聲音。

　　於是他開始注意Ike每次駐唱的時間，準時坐在固定的位置喝著一杯固定的酒，直到某次撲了個空，原本應該是輪到Ike駐唱的日子卻是其他演出者。Vox忍不住向酒吧老闆Onigiri打聽，才知道原來Ike是個樂團主唱，最近剛好有Live演出這幾天請假。Onigiri拿出幾張Ike送他的門票，身為酒吧常客的Vox順勢拿了一張。

　　等到Live當天，到了LiveHouse的Vox感覺氣氛好像跟他預想的不太一樣，四周都是穿著搖滾風格的年輕人。

　　「我應該沒走錯地方？」Vox來回仔細又看了一次門票上的地點和時間。