luxiemとしてにじさんじでデビューして20年くらい経っただろうか。僕たちも髪の毛に白いものが混じり始めてシワも増えた。体力も衰えたので耐久配信なんてものはできなさそうだ。ヴォックスを除いて。
カーテンが引かれ、蝋燭だけが灯された薄暗い部屋に闇ノシュウがいた。どこか異国の文字の入った円陣の真ん中にナイフを持って立っている。部屋には甘い香りのする香が焚かれていてその香りが正常な思考を奪い精神を昂らせる。
ヴォックスは今でも昔のままの見た目だ。衰えが無い。あの頃の写真と並べても違いが分からないだろう。僕たちは最近になってハッキリと種の寿命の違いを認識した。
そこで僕はどうしようもなく怖くなったのだ。ヴォックスを1人この世に遺していくこと、もしかしたら僕も誰かを看取らなくてはいけないことが。
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