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    48mokopon

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    ダクナイ事件から地続きの鏡とモルガナの小話です。

    煮詰めた色「ねぇ、かがみさん」

    「おや、お菓子の差し入れかい?」

    闇の森にポツンと存在した村に立ち寄ったモルガナとダスクモン。
    ダスクモンはダークナイトモンとの戦いで大きく負傷してしまい、モルガナのカバンに住んでいるミラーモンに応急処置をしてもらったとはいえ、泉から動けない状態だった。

    「そうね、光る琥珀糖かしら?蛍石みたいで綺麗ね〜」

    そんな中、森に住んでいるデジモンに声をかけられ、住民に事情を説明するとダスクモンを運ぶ手伝いを快く引き受けてくれた。

    「あぁ、ここの星のカケラという砂糖のようなものを使った琥珀糖だね。食べられる照明だから夜更かしの読書には便利だよ。」

    ここに住む闇のデジモン達はダスクモンを見ても彼を恐れることはなく、むしろ悲しいものを見るようなそんな憐れむ様子だったのがモルガナの印象に残っている。
    特にダスクモンが回復するまで、モルガナ達の滞在も許してくれたのが彼らにとって一番の驚きだった。
    それだけでなく、彼らに食料を物々交換でやり取りをする許可も出してくれたのだ。

    「あら!素敵なお菓子ねぇ〜でも虫歯には気をつけなきゃ」

    「それは同意しよう、でも、半分は君が持っていなさい。本当に何かと便利だから。」

    そんな中、目を覚まさないダスクモンの横で菓子類の山分けをしていたモルガナとミラーモン。
    キラキラと宝石のように光る琥珀糖の入った袋をとても楽しげに見ているモルガナ。そんな彼女にミラーモンは、謎にませた発言をする不思議な少女でも、やはりまだ歳なりの少女なのだなと思いながら山分けした菓子をしまいつつ、少し微笑ましげに眺めていた。

    「素敵な赤色ねぇ……それからこっちに紫で…」

    「色分けかい?楽しそうだね……って君、赤が好きなんだ」

    「そうよ〜好きなひとたちの宝石の色だもの。あ、紫も好きよ?」

    「それも好きな人たちの瞳の色だからかい?」

    「えぇ、おばあさまと弟の瞳の色」

    そう言いながら、紫色の琥珀糖を見つめ少し寂しげな表情を見せるモルガナ。

    「おや、ホームシックかい?」

    「いいえ、でもちょっと弟が羨ましくて……わたしの家族ね、わたしだけ水色な瞳をしているから…お父様はおじいさまと同じ赤の瞳でお母様のは深い青なの、水色になるはずないのに」

    困ったように微笑むモルガナ。
    変わった子だが、察しのいい彼女のことだ。余計なことを考えてそう言っているに違いない。これは少し面倒なことに足を突っ込んでしまったかなとミラーモンは思っていた。
    しかし、少しお節介なので感情が湧いたのかミラーモンはモルガナに声をかける。

    「そりゃお嬢さん、君は人間とデジモンとの混血児だからね。何色になってもおかしくないさ」

    「知っていたのね」

    「おや、自覚があったんだね」

    手持ちの小さな扇を扇ぎながら、ミラーモンはモルガナと山分けした菓子を鏡の中に放り込む。菓子は次々と、鏡の中に吸い込まれていき消えていく。

    「歴史上の人物にも稀によくいるものさ。 どこぞの天才陰陽師もそうだし、古代の鏡の女王だってそうだからね。ちなみに後者なら会ったことあるよ?」

    冗談めかしく、鏡をキラリと輝かせるミラーモンに、ついモルガナは笑顔をこぼす。

    「ふふ、むかしの鏡は小さなお天道様だものね? なら鏡さんには土偶さんのお友達でもいるの?」

    「もちろんいるとも、骨董品フレンズってね」

    そう言いミラーモンは小さな白い赤口土偶を鏡の中から取り出し、モルガナの手にそっと置いた。

    「まぁ、青い瞳を持つ闘士は他にもいるが、君はもっとそれを煮詰めた色をしているからね。なに、闘士全部を混ぜたら、地に降り立った高貴な者が天空を仰いだときのような瞳の色に……君と同じ瞳の色になるから安心したまえよ」

    「なあにそれ、合体しちゃうの?」

    「するかもしれないし、しないかもしれない、太古の昔にしたかも分からない。もしかしたら闘士というものは元々はひとつの存在だったかもしれないね。」

    「もしそうなら、わたしとこのひとは遠い親戚になっちゃうわね」

    ダスクモンに視線を向けるモルガナ。

    「面白いことを言うね。だが光と闇は兄弟のようなものさ、遺伝子関係なく、繋がりやすい縁ってやつはあるものだよ。」

    くすくすと笑うふたりだが、隣で眠っているダスクモンは一向に目を覚ます気配はなく眠り続けている。

    「ありがとう鏡さん、ちょっと元気になったわ……わたし、ずっとひとりぼっちだと思ってたから…」

    「元来生き物ってやつは孤独なものさ、生まれる時も死ぬ時も独りだ。そう思うと色なんて些細なことだろう?」

    「あのね鏡さん、わたしがカッコウ鳥さんの子なんじゃないかって心配だったのよ?」

    「おっと、お嬢さんは想像以上に大人だったようだ……だがもし、君の弟さんがどこか人外じみていたのならそれは間違いなく君と同じ先祖を持つ証だから安心したまえ。」

    そうミラーモンは言い終えると、疲れたからと言ってモルガナのリュックの中に戻って行った。
    それをモルガナはヒラヒラと手を振って見送ると、隣で横になって眠っているダスクモンに視線を向け、彼の頬を優しく撫でた。

    「ふふ、ねぇあなた、わたしたち遠い親戚かもしれないんですって」

    ダスクモンからの返事は帰ってくることはなく、彼はただ静かに寝息を立てて眠っている。

    「わたしね、弟がいるの。よく泣くしよく笑う賑やかな子だけど滅多に怒らない優しい子なのよ? あなたも優しいけど真逆ね、あなたは静かで…でも、誰かのために怒ることの出来るやさしいひとだから。」

    慈しむように穏やかで、しかし寂しさの入り交じるそんな声音でダスクモンに話しかけるモルガナ。

    「いつも守ってくれてありがとう、やさしいあなた……心の底からあなたが元に戻れるといいなと思うのに、ずっとあなたのままでいて欲しいと願ってしまう悪い魔女でごめんなさいね」

    どこか独白のようにそう言うと、ふわふわと欠伸をしてからモルガナはダスクモンに寄り添うように横になった。
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