ギタリストは紡ぐ♪
心地よいアコースティックギターの音色。
まるでそれは手と手を握りあった時のような温もりを感じさせる。
空に溶けていく筈の音は、何故か何処までも届いて行きそうで、もしかすると、もしかすると、、いずれあの「テンクウ」にも届いてしまうのではないだろうか
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『ギタリストは紡ぐ< I 果たすべきもの>』
「…きれいな音色だね」
「うん。」
つい先日この世界に“落ちてきた”ばかりと見られる何処からか現れたその星は、その音色に魅せられたのか、ふっと言葉を漏らした。彼にとってこのような感情になったのは初めてらしい。
その音を紡いでいた星は短く返事をすると、若い星を嫌がる様子もなく、手をゆっくりと変わりなしに動かす。
「ここはとても暖かいや。
あの雨林という場所とはまるで逆のせかいみたいだよ。あそこはここよりずっと寒くて、怖くて、ここまで戻ってきちゃったんだ」
「……そうか、、僕は雨林、好きだよ。あの雨音と鳥の鳴き声しか聞こえることのない妙な静穏さが、僕になんだか合っているような気がするんだ」
「確かに、あそこはなんだか心が落ち着いて、怖いとおもうのにどこかとても美しいと思ったよ」
「…それに、彼処はかつての王国の様子を表す大事な一つのパーツなんだ。
その一つ一つを最後まで繋ぎ合わせ、そのパズルが完成した時、つまり君がその“出来事の全て”を知ることが出来れば、それは
使命を果たした
ということになる、と僕は思うんだ」
……To be continued