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    inuparade

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    原稿してたらチェの局部が意図せず光り輝いてしまい笑い転げてしまったので見て下さい

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    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。ツーカーの二人。■明日を待ちわびて


     モクマは現在、敵アジトに潜伏中だった。腕の立つ用心棒という立ち位置を得てはや数日が経つ。便宜上の『仲間』が「一緒に飲まないか」と誘ってきたが、笑って断った。与えられた個室に戻ると、ベッドに座ってこの数日でかき集めたアジトの内部構造をまとめ、タブレットでチェズレイに送信する。と、同時にタブレットの中に保存した情報を抹消する。
     ――やれやれ、これで明日はチェズレイのもとへ帰れるな。
     そこまで考えてベッドに寝転がると、自分が帰る場所はチェズレイのところになってしまったんだな、なんて今更なことを思う。
     そこでいきなりピコン、と軽い電子音が響いた。寝返りを打って見れば、メッセージアプリにチェズレイからのメッセージが入っている。
    〈無事ですか〉
     ただ一言だが、モクマの脳裏には心配でたまらないといった様子の彼が思い描けた。
    〈大丈夫だよ〉
     そこまで打って送信し、返事を待つ。数分の後にまた通知音が鳴った。
    〈行き先は確認しました。明日のデートが楽しみですね。何時に行けばいいでしょうか?〉
     『行き先』は内部構造図、『デート』は潜入ミッションの隠語だ。事前の打ち合わせ 846

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。嫉妬するチェズ。■わたしの一番星


     二人の住むセーフハウスにはグランドピアノが置かれた部屋がある。今日もチェズレイが一曲弾き終わって、黙って傍の椅子でそれを聴いていたモクマは拍手をした。応えるように立ち上がって軽く一礼する。
    「ところでモクマさん。あなたも弾いてみませんか?」
    「えっ、俺?」
     驚いたように自分を指差すモクマを、ピアノ前の椅子に座るよう促す。困ったな、なんて言いながら満更でもなさそうだ。そんな様子に少し期待してしまう。
     モクマは確かめるように、両手の指を鍵盤にそっと乗せる。そうして指先で鍵盤をゆっくり押し下げて弾き始めた。
     ――きらきら星だ。
     多少調子外れながらも、鍵盤を間違えずに一分弱の曲を弾いてみせた。
    「――はい。おじさんのピアノの十八番でした」
     仕向けておいてなんだが、チェズレイは正直驚いていた。きっと片手を使って弾くのがやっとだろうと思っていたから。それと同時に、興味が湧いた。
    「どこで、覚えたんですか」
    「あーね。おじさん二十年くらいあちこち放浪してたでしょ? いつだったかバーで雑用の仕事してる時に、そこでピアノ弾いてたお姉さんに教えてもらったの」
     若い頃のモ 871

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。眠れない夜もある。■インソムニア


     同じベッドの中、モクマはチェズレイの隣で寝返りをうつ。
    「眠れないんですか?」
    「なんか寝付きが悪くてな。……寝酒でもするか」
     起き上がろうとしたモクマの肩を押し止める。薄暗がりの中でプラチナブロンドが揺らめいた。
    「寝酒は体によくありません。それだったら私が催眠をかけて差し上げます」
    「えっ」
     モクマは少しぎょっとする。これまで見てきたチェズレイの催眠といえば、空恐ろしいものばかりだったのだから。するとそれを見透かしたようにアメジストの瞳が瞬いて眉尻が下がる。今にも涙がこぼれ落ちてきそうだ。――モクマはこの顔にたいそう弱かった。
    「モクマさん……私があなたに害のある催眠をかけるとでも?」
    「い、いやそんなこと思っちゃおらんけど……」
     言われてみれば確かにそうだ。この男が自分にそんなことをするはずがない。
     しなやかな手によって再びベッドに背を預け、モクマは隣に横たわるチェズレイと目を合わせた。
    「目を閉じて、ゆっくり呼吸してください。体の力を抜いて」
     穏やかな声に、言われるとおりにモクマは従う。
    「想像してください。あなたは果てのない広い草原にいます。そ 854

    高間晴

    DONEチェズモク。チェズの髪を切るモクの話。■ノスタルジーに浸って


    「モクマさん、私の髪を切ってくださいませんか」
     リビングのソファで、暇つぶしにタブレットをいじっていたときだった。スリッパの音が近づいてきたと思ったら、チェズレイがだしぬけにそう言う。モクマは一瞬何を言われたのか理解できなくて、チェズレイに訊く。
    「え? 何つったのチェズレイさん」
    「ですから、私の髪を切ってほしいと言ってるんです」
     チェズレイは、腰まで届くプラチナブロンドを揺らしながら言った。その髪は流れの半ばをモーブカラーの細いリボンでゆるく束ねている。思えば、はじめて会った頃よりだいぶ髪が伸びたものだ、とモクマは感慨にふける。って、そうじゃなくて。軽く頭を振って思考を呼び戻すと、アメジストの瞳が瞬いてふわりと微笑む。――モクマがこの顔に弱いと知った上でやっているのだから、たちが悪い。
     チェズレイはモクマの隣に座り、その手を取って白手袋の手で包む。
    「お願いします」
    「い、いや。人の髪を切るだなんて、おじさんそんな器用なこと出来ないからね?」
     モクマはチェズレイの手を振り払う。下手なことをしてこの可愛い年下の恋人の美しさを損なってしまうのが怖かっ 1901

    ▶︎古井◀︎

    DONE春の陽気に大洗濯をするチェズモクのはなし
    お題は「幸せな二人」でした!
    「そろそろカーテンを洗って取り替えたいのですが」
     朝。さわやかな陽光が差し込むキッチンで、モクマはかぶりつこうとしたエッグトーストを傾けたまま、相棒の言葉に動きを止めた。
     パンの上で仲良く重なっていた目玉焼きとベーコンが、傾いたままで不均等にかかった重力に負けてずり落ちて、ぺしゃりと皿に落下する。
    「モクマさァん……」
     対面に座っていたチェズレイが、コーヒーカップを片手に、じっとりとした眼差しだけでモクマの行儀の悪さを咎めた。ごめんて。わざとじゃないんだって。
     普段、チェズレイは共用物の洗濯をほとんど一手に担っていた。彼が言い出しそうな頃合いを見計らっては、毎回モクマも参加表明してみるのだが、そのたびに「結構です」の意をたっぷり含んだ極上の笑みだけを返され、すごすごと引き下がってきたのだった。しかし今回は、珍しくもチェズレイ自ら、モクマに話題を振ってきている。
    「それって、お誘いってことでいいの?」
     落下した哀れなベーコンエッグをトーストに乗せなおしてやりながら、モクマは問う。相棒が求めるほどのマメさや几帳面さがないだけで、本来モクマは家事が嫌いではないのだ。
    「ええ。流石に 3560