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    硲山R18らくがき 攻めほとんど映ってないけど

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    高間晴

    DOODLEチェズモク800字(いつもより字数オーバー気味)。珍しく二日酔いのモクさん。■二日酔いの朝


     朝、モクマはベッドから身を起こしてずきずき痛む頭を抱える。二日酔いなんて酒を飲み始めた年の頃以来経験していない。だが、昨夜はチェズレイが隣でお酌なんてしてくれたから嬉しくなって、ちょっとばかり飲みすぎた気がする。それ以降の記憶がない。
     ふいに部屋のドアをノックする音が聞こえた。チェズレイの声が「朝ごはんが出来ましたよ」と告げる。モクマは返事をして部屋を出ると洗面所へ向かう。冷たい水で顔を洗うと少しさっぱりした気がして、そのままダイニングへ。
     おはようと挨拶をすればチェズレイが鮮やかに微笑む。味噌汁のいい匂いがする――と思ったのは一瞬で、吐気をかすかに覚えた。
     ――あ、これ完全に二日酔いだわ。
     典型的な症状。食べ物の匂いがすると胃のあたりが気持ち悪くなる。頭痛もぶり返し始めた。だがチェズレイがご飯をよそってくれているのを見ると、どうにも言えない。
     朝ごはんはやっぱり白米がいいな、なんて冗談半分で言ったら、その日のうちに炊飯器を取り寄せて味噌汁の作り方までマスターしてしまうのがこのチェズレイという男だ。そこまで想ってもらえるのは嬉しいが、時々、ほんの少しだけ 892

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。敵アジトに乗り込む当夜の話。■愛は勝つ


     とある国に拠点を移したチェズレイとモクマ。敵アジトを見つけ、いよいよ今夜乗り込むこととなった。「ちょっと様子見てくるわ」と言い置いて、忍者装束のモクマは路地裏で漆喰の白い壁の上に軽く飛び乗ると、そのまま音もなく闇に消えていった。
     そして三分ほどが経った頃、その場でタブレットを操作していたチェズレイが顔を上げる。影が目の前に舞い降りた。
    「どうでした?」
    「警備は手薄。入り口のところにライフルを持った見張りが二人いるだけ」
    「そうですか」
     ふむ、とチェズレイは思案する顔になる。
    「内部も調べ通りなら楽々敵の首魁まで行けるはずだよ」
     振り返って笑う顔がひきつる。その太腿に、白刃がいきなり突き立てられたのだから。
    「なッ……」
    「それじゃあ、今日のところはあなたを仕留めて後日出直しましょう」
     チェズレイは冷ややかな声で告げると、突き立てた仕込み杖で傷を抉った。
    「ぐっ……なぜ分かった……!?」
    「仮面の詐欺師である私を欺くなんて百年早いんですよ」
     それ以上の言葉は聞きたくないとばかりに、チェズレイは偽者の顎を下から蹴り上げて気絶させた。はあ、と息を吐く。
    「モクマ 820

    高間晴

    DONEお題箱より頂いた、「ひたすらモさんを褒めちぎるチェズ」。
    なんか手違いで褒めるというよりは好きなところを挙げていますがご容赦ください。
    ■このあと美味しくいただきました。


     チェズレイは目的のためならかける手間を惜しまない男だ、とモクマは思う。
     ふらりと出かけ、数時間ほどでセーフハウスに帰ってきたチェズレイを玄関で出迎える。その手にはケーキが入っているらしき箱と茶色の紙袋があった。甘いものに目のないモクマは嬉しそうに笑う。
    「チェズレイ。それお土産? ケーキ?」
    「タルトです。苺が旬なのも今のうちですし、買ってきました。一緒に食べましょう」
     そう言いながらキッチンのダイニングテーブルに箱と紙袋を置く。待ちきれずにモクマが箱を開けてみると、たっぷりの真っ赤な苺がクリームの上に乗ったタルトが二切れ入っている。テーブルに手をついて箱を覗き込みながらモクマはお伺いを立てる。
    「あ、おじさんコーヒー淹れよっか? タルト甘いだろうからブラックで――」
    「いえ、クリームを使ったタルトに合わせるなら油分のあるコーヒーより、口の中がさっぱりするストレートの紅茶ですね」
     それを聞いてモクマは首を傾げる。紅茶。コーヒー豆ならあったけど、茶葉なんてなかったはずだ。そこで隣に置かれている紙袋に目が行く。チェズレイはその中からアルミの小 2964

    高間晴

    DONEタイトル通りのチェズモク。■愛してる、って言って。


     チェズレイはモクマとともに世界征服という夢を追いはじめた。そのうちにチェズレイの恋はモクマに愛として受け入れられ、相棒兼恋人同士となった。
     あのひとの作った料理ならおにぎりだって食べられるし、キスをするのも全く苦ではないどころか、そのたびに愛おしさが増してたまらなくなってくる。ただ、それ以上の関係にはまだ至っていない。
     今日もリビングのソファに座ってタブレットで簡単な仕事をしていた時に、カフェオレを淹れてくれたので嬉しくなった。濁りも味だと教えてくれたのはこのひとで、チェズレイはそれまで好んでいたブラックのコーヒーよりもすっかりカフェオレが好きになってしまっていた。愛しい気持ちが抑えられなくて、思わずその唇を奪ってしまう。顔を離すと、少し驚いた様子のモクマの顔があった。
    「愛しています、モクマさん」
     そう告げると、モクマはへらっと笑う。
    「ありがとね。チェズレイ」
     そう言って踵を返すモクマの背を視線で追う。
     このひとは、未だに「好きだよ」だとか「愛してるよ」なんて言葉を言ってくれたことがない。キスも自分からしてくれたことがない。まあ二十年もの間 2609

    高間晴

    DONEチェズモクワンライ、「三つ編み」。■永久の約束


    「モクマさん、私の髪をみつあみにしてもらえませんか」
     寝床を共にするようになって、数ヶ月経ったある朝。ベッドから起き上がり、自分の髪を櫛で梳かしながらチェズレイが言った。それにどう反応していいかわからずモクマが隣で驚いた顔をする。
    「えっ……えっ?」
     その声を聞いて、チェズレイは眉尻を下げて瞳を潤ませるとモクマの顔を見つめた。
    「モクマさァん……」
    「うっ、お前さんその顔したらおじさんが何でもしてくれると思っとらん?」
     怯んだ様子でそう言えば、ベッドの上、シーツにしわを寄せてチェズレイがにじり寄ってくる。じり、と近づかれてモクマは小さな悲鳴を上げた。こちらを見つめてくるアメジストの瞳は、朝のたまご色の光を反射してきらきら輝いている。
    「思っていますが、何か問題ありますゥ?」
     そう言われてしまっては返す言葉がない。モクマは、はーっと肺から空気を押し出すようなため息をつく。それから顔を上げると両手でチェズレイの頬に触れる。壊れ物を触るような手つきだった。チェズレイは以前にも髪を切ってほしいなどと無茶振りをしてきたが、またかといった感じだ。
    「お前さんには隠し通せな 1844