白昼夢は獏に食わせよ 俺たちも年だな、なんて笑いあっている男たちが見える。ロマーノはその談笑が妙に腹立たしくて、彼らに背を向けるようにして座った。テーブルの上のグラスは薄っすらと結露している。中身は減っていないというのに。
「どうしたん、ロマ」
そうやって俺の顔色を伺うお前にも、なんだか腹が立つ。ロマーノはその言葉を奥歯で噛み殺した。それを言えば全てが今のままで終わってしまう。
ロマーノに相対するスペインは、ちらっとロマーノの奥にいる面子を見て、表情を緩めた。けれど、席を動かない。向こうに混ざろうとしないのは、ロマーノに気を使っているだけではない、ということくらい、ロマーノは分かっていた。
「なんで来たんだよ」
「いじわるなこと言うなぁ」
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