診メの世界観設定・捨てられた世界
捨てられた世界は現実世界から捨てられた記録の収集所。アカシックレコードの裏面、表に記録しきれないものを記しておく場所。
時の海は収集する時のフィルムの巻き取り装置みたいなもので、命の星は「忘れられたものが確かにそこにあった」という証明書。
漂着物たちの浮力は現実世界からの想い、記憶。管理人は管理する側なので滅多なことでは沈まない。
また、体質として虚弱は存在するが、基本的に病気という概念は漂着物・管理人ともにない。死因は事故か自殺か殺人か、もしくは現実世界への逃亡による失踪のみ。
・時の海とは
もの自体の記録(記憶)が増えるほど重さが増す、沈みやすくなる。
それを支えるのが浮力としての人からの記憶、想い。
沈めないことはある、現実世界の想いと漂着物の心情の重さに大きな差があれば沈まない。どれだけ自殺したくても、現実世界からの想いが強いと沈めないことがある(想いが軽ければ沈むことができる)。
現実世界から完全に忘れられる、想いが消えると浮いているものは自動的に沈む。人化したものは海に入らなければ沈まない。
沈むとリアルで走馬灯を見る。なんでリアルで走馬灯見るかというと、沈めば沈むほどモノの時間が巻き戻るから。
海に沈む=記録して収集する、なのでフィルムのように巻き取られたものを星として空に浮かべている感じ。
最終的に肉体ごと消える。記憶=肉体なので。逆に、肉体が海によって消えるとその分の記憶も消える。欠損する量は海の深度に関係する。
海に沈んだことで欠損した部分は異形でも治らない。神経が通わなくなる。
巻き戻しなので、新しい記憶から消える。
沈むものによって沈む深さが違うので、底には何もない、というか底はない。長生きほど深く沈む。
以上の情報を管理人や漂着物達はほとんど知らない。浮力や沈まない理由、「忘れられると沈む」という原因は知っている。
・命の星
消えたものがそこにあったという記録、証。文字通り命の輝き。管理人・漂着物達は消えたものが星になっているということしか知らない。
星は沢山あるので誰がどの星になのかは誰もわからない。凄まじい記憶力があるものはもしかするとわかる。
人化した漂着物が消滅した場合(海に記録されなかった場合)、星となるかどうかはわかっていない。
・原生生物
原則、原生生物はいない。いるかもしれないが今のところ発見されていない。ただ、管理人は捨てられた世界で発生しているので原生生物とも言える。
・トビラ
トビラは一回使用(開けて通って閉めるまで)すると消滅する。なので、逃げた漂着物を追いかけるときに別のトビラを通らなければいけない時がある。消滅した後一定時間経過で別の場所に発生する。
トビラは全ての時空に繋がっている。開けた者のもといた世界に繋がるので、帰るのにはあまり苦労しない。逆に、捨てられた世界に狙って来るのは難しい。もの達は世界に招待されてここに流れ着いたが、出ると簡単には戻ってこれない。人間もたまたまトビラを通ってきただけなので狙っては無理。管理人はここが地元なので出入り自由。外の世界に「捨てられた世界に必ず辿り着く場所」はない。迷い人は本当に偶然でやってくる。
・時代区分
本当に曖昧。カコ区画にスマホがあったり、ミライ区画に貝塚があったりする。理由は漂着物がもといた時代に関連すると思われる。例えば、スマホが使われなくなった時代から来たスマホだからカコだと思っている、など。
・管理人
管理人は自分が管理している漂着物を全て把握できる。ただし、同じ区画、もしくは同じ世界にいないと把握できない。
また、世界から事前知識として世界の歴史を与えられている。特に管理するもの関連の時代や知識は詳細に与えられる。
管理人はトビラから繋がる外の世界の時代を操作できる。ランダム発生のトビラの位置も大体把握できる。消滅したトビラも感知可能。
逃げた漂着物を捕まえに外の世界に行くことがある。逃げた漂着物が何なのかわかるので、トビラの時代を操作して探しに行く。
管理の面で区画間を移動する者は少ないが、管理の不安がない者やゆるく管理している者は頻繁に移動することがある。なかには珍しい漂着物をお代に店をやっていたり、取引をして漂着物を外の世界に戻してしまう者もいる。
基本的に漂着物達が人間や世界に危害を加えるのを防ぐ役目があるので、管理人と呼ばれる。
管理人は管理人にしか殺せない。ただし、海に沈めることはできる。管理人は世界側(システム側)から派遣されてるので死ぬことはあんまりない。人間で言う心臓部を一突きされない限りは死なない。首切られても平然としてたりする。ただ、本人が死にたい場合は毒でも首吊りでも死ぬ。意思が重要。
血の色は青。管理人は人間ほどじゃないけど危機管理ができるくらいの痛覚はある。激痛が走っても徐々に薄れる。欠損したら治らない。例外もいる。
管理している漂着物がいなくなれば勝手に沈むが、漂着物の数は更新されるためそれで消えることは滅多にない。管理人達は世界の装置として存在しているので代わりはいくらでもいると考えていい。ただ、彼らのことも記録対象なので、自殺はできるし程々の自由も与えられている。
・漂着物
海の中には漂着物はいない。海の生物の漂着物もいるが、陸海空に関わらず大体の生物は人化しがち。人化していない魚などは大きな水槽に入っていたり、宙に浮く水の中にいたりする。無生物は海にゴロゴロ転がってる。
生き物や人間に近しいもの(人体や感情など)は人化しやすい。また、特別に個人の思い入れが強いもの(親の形見や結婚指輪など)も人化しやすい。
人格は記録から形取られるから人化する。人間と関わっていないものは人化しにくい。捨てられた世界にいる時間が長いほど人化しやすい。人化してないけど喋れる、は想いは強いけど年月がないとかそういうの。
捨てられる以前のことを覚えてたり、いなかったりする。人化した場合、捨てられる前の持ち主に容姿が影響を受ける場合がある。個人の思い入れが強いものは特にそう。個人以外(世界や歴史)に捨てられた場合はこの限りではない。
漂着物によっては生い立ちや過去から人間を憎んでいる場合もある。また、管理人に対してもいい感情を持っていないもの達も多数いる。
痛覚は完全に人化しているものほど鋭い。欠損したら治らないし、怪我したら傷が残ったりする。人間とほぼ同程度の回復力。ただ、異形だと痛覚は鈍くなり、機械などパーツの代替が利くものは欠損しても治ったりする。主に血の色は赤。
人化した漂着物には核となるものが存在し、その核が壊れると消滅する。漂着物の肉体的死はこれ。砕けて硝子の破片になって、砂になって消える。核が壊れない限りは死なない。核のかたちは漂着物によって様々で、ぬいぐるみだったり時計だったりする。ほとんどの場合、核は漂着物自体に関係するもの(化石なら化石、動物なら角など)。核が体内に埋め込まれている漂着物と体外にある漂着物がいる。体外にある漂着物は核を持ち歩いていることが大半だが、他の者に奪われてしまった漂着物もいる。核が遠くにあっても本人に影響はない。
廃墟や家、博物館などの建物系漂着物も海に建っていたりするので、そこに住んでいるひとや店を開いているひともいる。
・迷い人
迷い人に食事は必要ない。そもそも捨てられた世界は時間軸が混在してるので、どの時代の自分も存在してることになる。なので、結果的に時間が固定されて、飲食がいらない不老の状態になる。
もとの世界から逃げたい人が来やすいとされるが、真実はわからない。
もといた世界で忘れられると、自分のかたちを忘れてしまう。そうなると異形化する。人格・意志・魂が強いと覚えていられるのでかたちを保てる。例外あり。
ただの人なので記憶も世界に吸い取られてる。長く居過ぎると「ここで過ごせ」とでも言うように体が馴染む。捨てられた扱いになるのかもしれない。
・ラジオ
見上げるほど大きなラジオ。結構広範囲に音が聞こえる。管理人同士で連絡ができたりする。ほぼトランシーバーの役割。「俺の区画からいなくなった奴いるんだけどそっち行った?」みたいな定期連絡が来ることもある。
でもたまにどこから流しているかも分からないラジオ番組(ほぼ独り言)が流れたりする。
・汽車と線路
区画間の移動は大体これ。捨てられた汽車と線路が動いている。汽車が通らない線路もある。区画ごとに必ずひとつは決められた停車場があるが、あとはランダムで停る。たぶん汽車の気分次第。汽車の意思で動いてるので自動運転。なので駅がないところに停まったりする。
時刻表は存在しない。不定期運行。しかしここの住人は時間の概念があやふやなのであまり気にしないで気長に待っている。
・区画間の移動
大体のひとは汽車で移動するが、徒歩で移動するひともいる。ただ、歩ける場所が少ないので、徒歩移動は物好きと飛べるor泳ぎが上手いひとくらいしかしない。
周りと合わなすぎて「こんなところにいられるか!」と他の区画に移動するひとも、カコ区画で周りが古すぎて「あれ?もしかして俺イマ区画じゃね?」と移動するひともいる。単純に用事で移動することもある。
移動に負担がかかるひともいる。例えば、命が削れるとか異形化が進むとか。負担の度合いは個人によって様々。なので、辿り着いた区画から生涯移動しないひともいる。