雨天はにーまじかるメイドカフェ・
ふわふわ。ゆらゆら。
目の前でゆっくりと左右に揺れている玖夜の尻尾を眺めながら、エイトははあと息をついた。きょうは朝から雨が降っている影響で、メイド喫茶の客足が悪い。町のほうへ買い出しに行ったココとブレイドもなかなか戻らないし、エイトは暇を持て余していた。
「玖夜ー、退屈だししりとりでもするか? はい、じゃあ、しりとりの『り』から――」
「リボン」
「勝手に始めて、勝手に終わるな!」
「エイトさんこそ、僕はなにも言っていないのに勝手に始めないでください」
窓辺に寄りかかっていた玖夜が呆れたように言いながらエイトを振り返る。
「しかし、退屈には同意ですね。これだけ暇だとエイトさんがドジをして僕を楽しませてくれることもないですし」
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