Bitter Valentine今日はいつもより早く家に帰ることが出来た為、弟といつもより一緒にいられる時間をとれる事に嬉しさを覚えながら家のドアを開く。
「ただいまー」
すると、リビングの方からバタバタと足音が鳴りドアからは慌てた様子の写御が出てきた。
「そんなに慌ててどうした?」
「えっ、あっ、な、なんでもないよ!」
「そっか?」
少し腑に落ちないがブンブンと首を縦に振る写御の首が取れてしまいそうで、ハハッと少し笑い頭をわしゃわしゃと撫でてやる。
それだけで嬉しそうに照れたように笑う顔を見て、"あー、可愛いな"と心の中で思うのだ。
「今からご飯作るからさ、今日何食べたい?」
そう尋ね、一旦ソファーにバッグを置けばそのままキッチンへと向かう…………はずだった。
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