ヒスムル(仮)3「……」
家に帰り、テレビをぼんやりと見ながらヒースクリフはかれこれ10分考え続けていた。
それは家の事でもなくフィクサーの事でもなく、ムルソーとグレゴールの事だった。
喫煙者ではないのにグレゴールと同じ煙草の匂いがするムルソー。
ムルソーの家の合鍵を持っていたグレゴール。
グレゴールの妙な態度。
(……付き合ってんのかな……)
前々から気になっていた事ではあるが、ここに来て点と点が線になったような気がした。
……だとしても、だ。
(……あんな隈酷い状態でやってんのかな……)
そんな邪な考えにヒースクリフは誰も見る人間が居ないと言うのに隠すように口元を手で覆っていた。
いや、むしろ疲れているからこそ出来るのかも……
(〜〜〜っ!くそ!やめだやめだ!)
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