半纏 こんな寒い日は、帰宅後着替え半纏を着てこたつに入る。
すると、さっきまで走り回っていた子が寄ってくる。
「とと、いーれーてー。」
言い終わる頃にはもう宇髄とこたつの間に入り込んでいた。
そして、宇髄の半纏の袖に自分の腕を通し始める。
両腕を入れ終え、その小さな左手で丸くなった父の腕先を包み込んだ。
満足気に顔を見上げると、
「あったかいね。」
と、頬を赤く染め微笑んでいる。
宇髄は、あったかいねと微笑み返し、二本の腕が入った半纏でぎゅうと子を抱きしめた。
障子が開き、雛鶴がご飯茶椀をのせた盆を運んできた。
さあ飯だ。
腹が減った、たくさん食べて大きくなれよ。
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