吸血鬼連合による新横浜への大規模侵攻──あの激闘から、すでに一ヶ月が過ぎていた。
街を混乱に陥れた吸血鬼たちは、驚くほどスムーズに、新横浜の生活へと馴染みつつあった。
まるで何事もなかったかのように。
……良いことなのかもしれない。けれど、ドラルクの胸中はどうにも晴れなかった。
なにせ、ほんの先月、自分はこの街の未来を懸けて命を賭して戦ったのだ。そんな簡単に「敵が友」になるなんて、到底納得できるものではない。
あまりにも馴染みすぎている。彼にはそう思えてならなかった。
実際、すでに住処を確保した吸血鬼も少なくなく、ハンターギルドの報告によれば、彼らは観光地を丹念に調査し、引っ越し気分で新生活の拠点を探しているという。
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