ちいさな恋人と。 陰陽術のせいで、瑠凛が小さくなった。小さくなったと言っても子供になったというものではなく、手のひらに乗ってしまうような大きさとなったのだ。
「あうぅ」
やはりそんな大きさでは不安なのか、俺の手のひらできょろきょろと辺りを見回している。警戒しているのだろう。
「大丈夫やで。俺がついとるから、怖いことなーんもあらへん」
「ほんとれすか」
ああ、舌が回っていなくてかわいい。「ほんまやよ」と笑いかけると、ふにゃっと笑ってみせてくれた。
「(あかん、かわいすぎて食べたなってきた。一口で飲み込めてまう)」
唾液が溢れそうになるのを必死で堪える。かわいらしいが、食べてしまっては無くなるのだから、我慢しなければ。
「ぅー……ねむれません……」
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