お約束とうとうこの日がやってきた。今日は記念すべき煉獄先生とのデートである。
「遅刻しないように行かなきゃ」
準備をして待ち合わせの場所に向かうと既に待っている人影が見えた。あれは恐らく、いや絶対。
「煉獄先生!」
「ん?竈門少年、早いな。まだ時間では無いぞ」
「先生こそ!…何だか昔みたいですね」
昔。前世でのやり取りを思い出した炭治郎は笑った。
「そうだな…あの時も俺が先に来ていて、早くに来た君が〝待たせてしまった〟と謝っていたな」
「だって先に来て待ちたいじゃないですか!今日だって本当は…」
「わかった、次は君が先に来たのを確認してから来るとしよう!」
元気良く言うが、結局変わらないのでは。と思った。ぷすぅと不貞腐れた様子の炭治郎に煉獄は優しく頭を撫でる。
1080