イドメネオの贖罪 ログKP : あなた達はとあるチケットを持って港へ向かっていた。夏の強い西日が照りつけ、濃いコントラストのついた街の向こうから潮風が吹いてくる。通りを抜けると目前に海が広がった。目的地が近いことがわかるだろう。
『イドメネオの贖罪』今回催される船上美術展のタイトルだ。あなた達はその展覧会に一般抽選枠で参加することになる。
白と金で仕立てられた豪華な船が視界に現れる。船体には「Miss Mary」と記載されている。乗船口では他の乗客と思われる人々が、列になって手荷物検査を受けていた。
あなた達も同じようにそこへ並ぶ。
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 81 > 失敗
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 42 > 成功
寿敬一 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 47 > 成功
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 73 > 成功
KP : 白いスーツの男が歩いているのを見かける。しかし、今彼が現れたのは船の影……海辺からではなかっただろうか?と思う
婦人 : 「まったく、いつまで待たせるつもりザマス!もう良いんじゃなくって!?」
KP : あなた達の2つ前に並んでいた、婦人が手荷物検査に痺れを切らしているようだ。
荷物が多いので時間がかかっているらしい。
老人 : 「そうカリカリしなさんな、美術展に手荷物検査はつきものじゃよ」
婦人 : 「ンまぁ!私は絵を傷つけることなどしないザマス!」
老人 : 「フォフォフォ……」
婦人 : 「ンもう!あーたももっとシャキシャキするザマス!」
武相颯真 : 「すんません」
KP : 婦人の荷物を検査が終わり、老人のたった風呂敷ひとつぶんの荷物はさっさと見られ、あなたたちの番がやってくる。先程の婦人のせいか、警備員はずいぶん疲れているようだ。
武相颯真 : 「検査に協力、お願いします……あ、」
寿敬一 : 「はーい。……って、颯真さん!」
武相颯真 : 「……久しぶり。遠くからよく来たね」
寿敬一 : 「お久しぶりです!とんでもないっす、わざわざ招待してもらっちゃって……めちゃくちゃ楽しみにしてましたよ」
武相颯真 : 「そう。俺も。……またあとで、ゆっくりね。荷物いいから、通っていいよ」
寿敬一 : 「はい!麗一郎さんにもよろしくお願いしますね!じゃあ、また」
武相颯真 : 「夕飯がオープニングセレモニーだから、……出席、よろしくね。またね」
花山院金糸雀 : CCB<=85 幸運 (1D100<=85) > 68 > 成功
武相颯真 : 「手荷物検査に協力……ああ、金糸雀さん。お疲れ様ス」
花山院金糸雀 : 「ご機嫌麗しゅう、武相様!本日はお招き頂きありがとうございます。荷物はここでお見せすれば良いのかしら?」
武相颯真 : 「そスね、よろしくお願いします」
剛里楽々 : 「お嬢様ぁ、ホントにおひとりで乗船されるんですかぁ~っ」
花山院金糸雀 : 「えぇ、もちろん!折角のお招きですもの!らら、留守番はよろしくね」
剛里楽々 : 「うう~っ、らら、お待ちしておりますからぁ!無事に帰ってきてくださいねっ」
花山院金糸雀 : 「いってきます!」
KP : 金糸雀の荷物に金属探知機を掲げながら軽く中を掻き回して颯真はチェックを進める。しかし、順調にピピピと穏やかな音を鳴らしていた探知機が突然プツリと音を失ってしまった。
武相颯真 : 「……あれ」
花山院金糸雀 : 「あら?どうかなさいました?」
KP : 軽く振っても小突いても探知機は返事をしない。
武相颯真 : 「……あー、すんません、故障かな」
武相颯真 : 「まあ、あらかた見終わってたし……じゃあ、お返しします。どうぞ」
花山院金糸雀 : 「ありがとうございます。また後でゆっくりお話しいたしましょうね!」
武相颯真 : 「荷物検査に協力お願いします」
魚鷹りょう : CCB<=65 【幸運】 (1D100<=65) > 49 > 成功
魚鷹りょう : 「あー、はい。お疲れ様です」
武相颯真 : 「……はい、じゃあ、問題ないので。今晩のオープニングセレモニーにはぜひご出席を。楽しんで」
魚鷹りょう : 「どうも」
武相颯真 : 「手荷物検査に協力お願いします」
鷲尾倫太朗 : 「はい。お願いします」
鷲尾倫太朗 : CCB<=65 【幸運】 (1D100<=65) > 7 > スペシャル
武相颯真 : 「……お返しします。今晩のオープニングセレモニーにはぜひご出席を。楽しんで」
鷲尾倫太朗 : 「ええ。ありがとう」
KP : 乗船口を示され、そのままあなた達はメアリー号に足を踏み入れる。
KP : ザプン
KP : ほんの一瞬、アルコールの匂いを乗せた、水気を含む重たい風に全身を撫でられた気がした。
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クトゥルフ神話TRPG『イドメネオの贖罪』
開始します
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■一日目夜・オープニングセレモニー
KP : ディナー会をかねたオープニングセレモニーが定刻通り開催された。
あなた達もその場に足を運び、優雅なシャンデリアの下、上品に火の通された食材を眺めていることだろう。
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 80 > 失敗
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 43 > 成功
寿敬一 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 8 > スペシャル
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 66 > 成功
KP : あの目立っていたピンクの服の婦人が見当たらないなと思う。
KP : オードブルも食べ、落ち着いた頃ホール内の照明がゆっくり落とされる。
主催者からの挨拶が行われるようだ。
コツコツ。静かな会場に、壇上へ歩を進める男の革靴の音だけが響いた。
麗麗一郎 : 「ご乗船いただいた紳士淑女の諸君、ごきげんよう!」
麗麗一郎 : 「この度はこの麗麗一郎主催、『イドメネオの贖罪』クルーズへお越しいただきありがとうございます!
本展ではヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの美しいオペラ、イドメネオにあやかり、海の神ネプチューンにまつわる絵画を多数用意いたしました。
皆様にもイドメネオ王のように、ネプチューンからの寵愛がありますよう願っております!
それでは、良い船旅を!」
KP : 優雅に一礼してみせた彼に拍手が送られる。美しいクラシック音楽が流れ始め、照明も明るく戻った。本格的な食事の始まりだ。
寿敬一 : 「あれ?もしかして……スズさんの……」
鷲尾倫太朗 : 「あ、やっぱり。ふうくんのお友達の敬一くんよね?こんにちは」
寿敬一 : 「こんにちは!えっと、倫ちゃん?さん?でしたよね。奇遇だなあ」
鷲尾倫太朗 : 「ふふ、直接会うのははじめてよね。鷲尾倫太朗です。倫ちゃんって呼んでね」
鷲尾倫太朗 : 「本当はふうくんがお友達の颯真さんに招待されていたんだけどね。急な仕事で行けなくなっちゃって……代わりにアタシが来させてもらったのよ」
寿敬一 : 「じゃあ、倫ちゃんで。そういうことだったんですか。じゃあ思い出話もいっぱい持って帰らないとですね」
寿敬一 : 「スズさんからは、倫ちゃんのこと沢山聞いてますよ。そっちからもスズさんの話聞かせてくださいね!」
鷲尾倫太朗 : 「そうなの?なんだかちょっと照れちゃうわね。もちろんよ。仲良くしてね、敬一くん」
花山院金糸雀 : 「皆様ごきげんよう。本日皆さまのおもてなしのお手伝いをしております、花山院金糸雀と申します。お気軽に金糸雀とお呼びください」
花山院金糸雀 : 「勉強中の身ではありますが、皆様の旅がより良いものになりますよう、頑張らせて頂きますわ!オープニングセレモニーの方は楽しんでらっしゃるかしら?」
鷲尾倫太朗 : 「ええ、とっても楽しませていただいてるわ。ありがとう。金糸雀ちゃん、可愛らしいお名前ね」
花山院金糸雀 : 「ありがとうございます!お客様もこの船に並ぶ絵画と見間違う美麗さで、わたくし見惚れてしまいましたもの。是非この二泊三日、宜しくお願いいたしますわ」
鷲尾倫太朗 : 「ふふ、お上手ね。ありがとう。アタシ、鷲尾倫太朗って言います。気軽に倫ちゃんって呼んでね」
花山院金糸雀 : 「まぁ、お名前まですてきですのね!倫様、引き続きお楽しみくださいませ」
寿敬一 : 「3日間よろしくな、金糸雀ちゃん。俺は寿敬一。好きに呼んでもらえれば」
花山院金糸雀 : 「では寿様、よろしくお願いいたしますわ!何でもお気軽にお申しつけ下さいませ」
花山院金糸雀 : 「そちらのお客様も、お楽しみいただいておりますか?そちらの料理も麗自ら選びましたの」
魚鷹りょう : 「ああ、麗さんってさっきの?へえ、君は……親戚とか?」
花山院金糸雀 : 「えぇ、今回の主催をしている男性ですわ。麗とは……そうですわね、お仕事の関係者ですの!」
魚鷹りょう : 「ふぅん、まだ小さいのに偉いね。俺のことはりょうでいいよ。よろしく」
花山院金糸雀 : 「うふふっ、これからもそう言っていただけるように全力でおもてなしいたしますわ、りょう様!ぜひお楽しみくださいまし!」
麗麗一郎 : 「こんばんは!一般抽選にて来て頂いた皆様だね?はじめまして、主催の麗麗一郎だ!食事の方は満足いただけているかな?」
寿敬一 : 「社長!チケット、ありがとうございます!俺みたいなバイトなんかに……」
麗麗一郎 : 「ははは!かまわないよ、来てくれてありがとう!」
寿敬一 : 「へへ、今日、めちゃくちゃ待ち遠しかったんですよ。めいっぱい楽しませてもらいますね!」
麗麗一郎 : 「うむ、ぜひ楽しんでくれたまえ!」
寿敬一 : 「にしてもこんな立派な船で美術展なんて、ホント粋ですよね。今日のは船上、ってのにこだわってるんですか?」
麗麗一郎 : 「そうだね、船選びにももちろんこだわったけれど、今回は海の上で開催したかったのだよ。先ほども話したけれど、イドメネオというオペラがテーマだからね」
寿敬一 : 「絵だけじゃなくて、額にも音楽にも飯にもこだわるって、ホントすごいなあ……」
魚鷹りょう : 「船の名前……『Miss Mary』ってのも?」
麗麗一郎 : 「よく見ているね!でもメアリー号はオペラ関係ではなく、この内装の繊細さを美しいと思って選んだのだよ。『最愛の妻メアリー』と呼ばれるほど名高い船でね!」
花山院金糸雀 : 「麗一郎様、お疲れ様ですわ~!今回は素敵な場にお呼びいただけて、わたくしとっても感激していますの!お仕事、たくさん頑張りますわ!」
麗麗一郎 : 「そう言ってもらえて嬉しいよ、励んでくれたまえ」
麗麗一郎 : 「今回の展では『贖罪』という絵画がメインでね。チケットにもデザインされているのだが……。
アベル・フォスダイクによって描かれた荒れ狂う海の絵なのだよ。ネプチューンの心を描いたと言われているが、そこに表現されている感情はなんなのか議論を呼び続けているね」
麗麗一郎 : 「僕は……あれは怒りだと思うがね。やはり海の神とは尊大なものだよ、我々人間よりずっと……ね」
武相颯真 : 「麗一郎さん。ちょっと」
麗麗一郎 : 「む?なんだね」
武相颯真 : 「……」
花山院金糸雀 : CCB<=65 聞き耳 (1D100<=65) > 24 > 成功
鷲尾倫太朗 : CCB<=65 【聞き耳】 (1D100<=65) > 24 > 成功
魚鷹りょう : CCB<=80 【聞き耳】 (1D100<=80) > 20 > 成功
KP : 「サラ・エリザベス・ブリッグス様が……だそうで……展示……消息……」
寿敬一 : CCB<=75 聞き耳 (1D100<=75) > 2 > 決定的成功/スペシャル
KP : 「サラ・エリザベス・ブリッグス様が行方不明だそうで……展示室に行ったきり消息がわからないらしいス」
麗麗一郎 : 「ふむ、それは……」
KP : 2人は小声で何かを話し合ったあと、麗一郎はあなたたちににっこりと笑ってみせた。
麗麗一郎 : 「失礼したね、では僕もこのへんで。素敵な食事を!」
魚鷹りょう : CCB<=80 【聞き耳】 (1D100<=80) > 27 > 成功
寿敬一 : CCB<=75 聞き耳 (1D100<=75) > 9 > スペシャル
KP : 麗一郎から香水とは違う海の香りが少しする
鷲尾倫太朗 : CCB<=65 【聞き耳】 (1D100<=65) > 69 > 失敗
花山院金糸雀 : CCB<=65 聞き耳 (1D100<=65) > 78 > 失敗
KP : 変わった香水の香りがした
■一日目夜・バー
KP : バーはそれなりに人でにぎわっている。バーテンダーが数人カウンターの向こうに立っており、シックな雰囲気だ。
ちょうどボックス席にひとつ空きがある。
鷲尾倫太朗 : 「敬一くん、お酒は飲める年なんだっけ?」
寿敬一 : 「や、まだ19です」
鷲尾倫太朗 : 「ふふ、そっか。じゃあ敬一くんはジュースね」
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 81 > 失敗
寿敬一 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 77 > 失敗
寿敬一 : CCB<=75 聞き耳 (1D100<=75) > 24 > 成功
鷲尾倫太朗 : CCB<=65 【聞き耳】 (1D100<=65) > 41 > 成功
KP : 人々が談笑している。「展示室へは明日……」「メイン絵画が楽しみだ」「シアターではオペラの上映が……」などなど、催しをこれから楽しみにしている声が多数聞ける。
寿敬一 : 「この船。色々盛りだくさんみたいですねー。スズさん悔しがりますよ」
鷲尾倫太朗 : 「そうねぇ。ふうくん、すごく残念がってたから……」
寿敬一 : 「写真とか、いっぱい撮っとかなきゃですね。スズさんとは一緒に暮らしてるんでしたっけ?」
鷲尾倫太朗 : 「ええ。もう5年くらいになるかしら」
寿敬一 : 「え、そんなに!超仲良しなんですね」
鷲尾倫太朗 : 「ふふ。色々あってね、今の関係になる前から一緒に住んでるのよ」
寿敬一 : 「色々、ですかー。倫ちゃんから見たスズさんってどんな人なんです?スズさん倫ちゃんの話ばっかで、自分の話あんましないんすよ」
鷲尾倫太朗 : 「もう、ふうくんったら……。ふうくんは、そうね。すごく、真っ直ぐなひとかなあ。昔からね」
鷲尾倫太朗 : 「素直で、自分の意思がはっきりしてて。あと、すごく愛嬌があるのよね。人懐っこいわんちゃんみたい」
寿敬一 : 「確かに。超まっすぐで頼りになる人ですよね。愛嬌もあるんですか……」
寿敬一 : 「ふふ、やっぱ倫ちゃんも超幸せそうな顔するんだ」
鷲尾倫太朗 : 「やだ、話しすぎかしら?ちょっと、酔ってきちゃったのかも。……敬一くんは?好きな子いるの?」
寿敬一 : 「え、俺?俺は……まともな女の子と絡んだ試しがないんですよね……」
寿敬一 : 「あ、でも。ちょっと違うタイプの子と最近会って。色々あって……今度マカロン食べに行こーって約束してます」
鷲尾倫太朗 : 「あら、ステキじゃない。デート、楽しみね」
寿敬一 : 「デートって……そんなんじゃないですって」
■一日目夜・甲板
KP : 甲板に出ると夜風が頬をなでる。デッキ等でお酒を片手にくつろいでいる人も多いようだ。
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 43 > 成功
KP : 夜の海は穏やかに波の音を立たせている。人々も明日美術展を見るのを楽しみにしつつ夜の海を楽しんでいるようだ。
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 79 > 失敗
花山院金糸雀 : 「わぁ、甲板も素敵ですのね~!」
魚鷹りょう : 「あ、金糸雀ちゃん」
花山院金糸雀 : 「あら、りょう様もいらしていたんですね。ごきげんよう!またお会い出来てわたくしとっても嬉しいです!」
魚鷹りょう : 「うん、俺も。大丈夫?寒くない?」
花山院金糸雀 : 「えぇ、ちょうど良いくらいです!そういえばりょう様は、今回はどうしてこの船旅に?イドメネオがお好きなのかしら?」
魚鷹りょう : 「あー……実はそんな詳しくないんだよね。もらったんだ、チケット」
花山院金糸雀 : 「そうでしたのね、ではこの旅で新しく知れることが沢山ありますわ~!うふふっ、それってとても素敵」
魚鷹りょう : 「はは、いいね。俺知らないことばっかだから、分かんないことあったら聞いてもい?」
花山院金糸雀 : 「もちろん!わたくしの知ってることであれば、な~んでもお教えいたします!チケットを下さった方が羨んで、今度はお二人で来たいって、りょう様がもっと色んな方をお誘いしたいって思って頂けるようにしてみせますわ!」
老人 : 「フォフォフォ……お若いの、楽しんでおるかえ?ワシは独り者でのう、ちとこの老人に付きおうてくれんか?」
花山院金糸雀 : 「ごきげんよう!わたくし金糸雀、誠心誠意お付き合いいたします。りょう様もお時間あれば、ぜひ。旅に出会いは付き物ですもの!」
魚鷹りょう : 「え?ああ、はい」
老人 : 「いやな、さっき面白い噂を聞いてのう、話したくてまらんのじゃ」
魚鷹りょう : 「噂?」
老人 : 「あんた、最近このへんの海が人を呑むというのを聞いたかね?」
花山院金糸雀 : 「海が、人を?」
老人 : 「まだ極秘らしいんじゃがな、どうも……人だけが呑まれるらしいんじゃよ。
海に思いを馳せた人々を乗せた船が出航するとな、夜まではじっくり、じっくり餌を吟味して待つのじゃ。
そして月が雲に隠れた瞬間!
船を波が丸呑みにする!甲板をすべり、扉を壊し、羅針盤も時計も何もかもじゃぶ、じゃぶと食む。そのまま船全体をびっしょりと濡らして……そうしたらメインディッシュじゃ。忽然と人の姿だけを消し去り、船を海上にほっぽりだすんじゃよ」
魚鷹りょう : 「……子供に聞かせる話じゃないんじゃないですか」
老人 : 「フォフォフォ、あくまで噂じゃよ。どうじゃ?怖かったかのう」
花山院金糸雀 : 「う……ちょっと、怖いですわ……でもわたくしは今皆さんをおもてなしする身。きちんとお守りいたしますから、お二人とも、安心なさって!」
魚鷹りょう : 「……君はちゃんと守られるのが仕事。おじいさん、その噂どこで?」
老人 : 「食事の席で聞いたんじゃがのう。みんな知っておったようじゃがの」
魚鷹りょう : 「金糸雀ちゃん、君は?何か知ってる?」
花山院金糸雀 : CCB<=36 (1D100<=36) > 3 > 決定的成功/スペシャル
KP : 言われてみればららを含む使用人から話をされたことを思い出す。
老人の言った通りの噂が流れており、また警察も何も手がかりをつかめていない不穏な事件として実際に起きていることを知っている。
気を付けてくださいと心配そうな顔をしたららのことを思い出した。
少し不安な気持ちが夜の真っ黒な海を見ているとこみあげてくる。
SANc(0/1)
花山院金糸雀 : CCB<=85 SANチェック (1D100<=85) > 31 > 成功
花山院金糸雀 : 「そういえば……家を出る前、使用人からそんな噂があるからと心配されたような…。警察にも伝わっているのに、何も手掛かりを掴めていない実際に起きている事件だから、と。なのでわたくし、護身用に唐辛子スプレー持ってきてますのよ!」
魚鷹りょう : 「あ、はは……こっち、向けないでね」
花山院金糸雀 : 「もちろんですわ!りょう様は大切なお客様ですもの!」
老人 : 「フォフォフォ……」
■二日目朝・朝食
KP : あなた達は翌朝気持ちよく目が覚める。そのまま朝食を食べにレストランへ足を運ぶことだろう。
昨日と変わらず、席は一般抽選の客用のテーブルが用意されているようだ。
あなた達も自然と顔を合わせることになるだろう。
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 71 > 失敗
寿敬一 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 77 > 失敗
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 27 > 成功
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 44 > 成功
KP : 朝食は時間がまばらだからか、昨日ほど人は多くないためバイキングも快適に取れそうだな、と思う
魚鷹りょう : 「金糸雀ちゃん、おはよ」
花山院金糸雀 : 「りょう様!おはようございます。素敵な朝ですわ~!今朝はビュッフェスタイルなのかしら?」
魚鷹りょう : 「そう、みたいだね。……それにしても、昨日より人、減った?並ばなくて良さそうだね」
花山院金糸雀 : 「そうですわね、昨日居たときよりも確かにちょっと少ないかしら……。わたくしビュッフェスタイル、というの、バイキングかしら。あまり慣れていなくって……御一緒しても良いですか?」
魚鷹りょう : 「ん、行こっか。一緒に見て回ろ」
花山院金糸雀 : 「ありがとうございます!」
花山院金糸雀 : 「まぁ、倫様に寿様もごきげんよう!お二人もこれから朝食ですか?」
鷲尾倫太朗 : 「おはよう金糸雀ちゃん。ええ、アタシもこれから朝食よ」
寿敬一 : 「金糸雀ちゃん、おはよ。そうそう、朝飯から豪華だよなあ。今日も楽しみにしてるぜ」
花山院金糸雀 : 「でしたら良ければご一緒しませんか?」
鷲尾倫太朗 : 「あら、いいの?」
花山院金糸雀 : 「勿論!りょう様もよろしいですわよね?きっと皆さんと一緒に食べた方が美味しいですわ!」
魚鷹りょう : 「俺?や……まあ、確かに。うん、そちらさえ良ければ、是非。倫太朗……さんに敬一くん、だっけ」
寿敬一 : 「え、俺も良いんですか?ぜひぜひ!」
鷲尾倫太朗 : 「折角だから、ご一緒しましょう。アタシもりょうさんって呼んでいいのかしら」
魚鷹りょう : 「好きに呼んでもらっていいですよ。名前なんて、分かれば良いんで」
■二日目午前・展示室
麗麗一郎 : 「やあ、皆さんおはよう!どうぞごゆっくり」
KP : 展示室は船の2Fフロアの半分を占めており非常に広く設計されている。順路通りに回ることもできるようだが、基本的には自由に見て回れるようだ。
メイン絵画は一番奥にある。
KP : しばらくあなた達は絵画を鑑賞する。海に関する絵や、海神の神話にまつわる絵画など、昨日の挨拶で言っていた通りの内容だ。
KP : そして、最後にあなた達はメイン絵画の前にたどり着く。少し開けた空間にひとつだけ丁寧に展示された絵がそこにはあった。
KP : その絵は一見、グレーの絵の具がまだらに塗り付けられただけのように見えた。しかし、眺めていればいるほど、そこが荒れ狂う海だと理解させられる。
訪れる嵐、ギシギシと軋む船体、飛び交う悲鳴、怒号。まさに荒波のように、あなたたちの頭の中へ命が危ぶまれるような航海のイメージがなだれ込んでくる。
そこに現れたのは、それは名状しがたい、神……だったのだろうか。
《SANc 0/1d3》
寿敬一 : CCB<=65 SANチェック (1D100<=65) > 72 > 失敗
鷲尾倫太朗 : CCB<=66 【SAN値チェック】 (1D100<=66) > 4 > 決定的成功/スペシャル
花山院金糸雀 : CCB<=85 SANチェック (1D100<=85) > 48 > 成功
魚鷹りょう : CCB<=65 【SANチェック】 (1D100<=65) > 63 > 成功
寿敬一 : 1d3 (1D3) > 3
system : [ 寿敬一 ] SAN : 65 → 62
花山院金糸雀 : 1D100<=75 (1D100<=75) > 13 > 成功
魚鷹りょう : CCB<=55 (1D100<=55) > 39 > 成功
鷲尾倫太朗 : CCB<=50 (1D100<=50) > 95 > 失敗
寿敬一 : CCB<=45 (1D100<=45) > 63 > 失敗
KP : あなたはその場にぼんやりと立ち尽くしてしまう。絵を見ているのに、自分がどこを見ているか何を考えているかもわからなくなるだろう。
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 20 > 成功
寿敬一 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 11 > スペシャル
KP : じっと誰かに見つめられているような気がした。
花山院金糸雀 : 「ごきげんよう!え、っと……何かございましたか?体調が優れませんの?顔色が悪くいらっしゃるように見えますわ」
警備員の男 : 「うわあ!な、なんだ、急に話しかけないでくれ……!あ、ああ、いや、違う、違うんだ!俺の話は、むしろ聞いてくれ……!」
花山院金糸雀 : 「わっ……えぇ、勿論!私で良ければ何でもお聞かせ下さいまし。貴方の力になれるのなら、喜んで」
警備員の男 : 「あああ……俺も、俺もきっともう消されるんだ!どうか俺の顔を覚えていてくれ、いなくなったことがわかるように!」
花山院金糸雀 : 「消される……?どうか落ち着いて下さい、そんな、なにかお仕事で失敗してしまったのですか?麗一郎様は程度にはよりますけども、そんな酷く怒ったりしませんわ」
警備員の男 : 「無人で帰ってくる船の噂は本当だったんだ!警察も全然歯が立ってないって!」
警備員の男 : 「それに!あの絵!あの絵を見ると記憶が飛ぶんだ!最初はあんな絵じゃなかったのに!呪いだ、ネプチューンの呪いなんだ!」
花山院金糸雀 : 「ネプチューンの呪い……?」
警備員の男 : 「触るなぁ!触らないでくれ……!!」
花山院金糸雀 : CCB<=66 精神分析 (1D100<=66) > 83 > 失敗
警備員の男 : 「ううう、うう……っ」
鷲尾倫太朗 : 「……金糸雀ちゃん、ちょっと離れましょう。様子がおかしいわ」
花山院金糸雀 : 「で、でも……この方とっても怯えてらっしゃいますわ……」
魚鷹りょう : 「……じゃあ、あそこのお兄さんに相談してみる?知り合いなんだよね?」
花山院金糸雀 : 「そう、ですわね。そう致しましょう」
花山院金糸雀 : 「麗一郎様、今お手隙でいらっしゃるかしら?少し、あの、取り乱してらっしゃる警備の方が向こうに居ますの」
麗麗一郎 : 「うむ?取り乱している……というと?」
花山院金糸雀 : 「自分は消されるんだ、絵を見ていると記憶が飛ぶんだ、と……。メインの絵が飾ってある場所の方ですわ」
麗麗一郎 : 「ふむ……なるほど」
麗麗一郎 : 「では、他の警備員を呼んで交代させよう!報告ありがとう」
花山院金糸雀 : 「だ、大丈夫ですの?すごくあの方怯えて、らっしゃって。えっと……」
寿敬一 : 「そうですよ。どっか悪いのかもしれませんし……」
麗麗一郎 : 「君たちはお客様なのに心配させてしまってすまないね。こちらで休ませて対応するから、大丈夫だよ」
寿敬一 : 「そう、すか」
花山院金糸雀 : 「……わかりましたわ」
寿敬一 : 「消される、ねえ……昨日の晩、サラ・エリザベスなんちゃらって人が、展示室に行った後から消息がわからないとかって、颯真さんが」
寿敬一 : 「麗一郎さんの様子といい、絵の気持ち悪さといい、なんか嫌な感じするなー。慣れない場所だからかな」
鷲尾倫太朗 : 「アタシも、あの絵……なんだか見ていたら変な気分がしたわ」
寿敬一 : 「倫ちゃんもそう思いました?なんか見られてるみたいな……ね」
鷲尾倫太朗 : 「ええ。さっきの警備員の人の……呪いとかって話を鵜呑みにするわけじゃないけれど……嫌な感じ、よね、確かに」
花山院金糸雀 : 「見られている、ですか?絵をみているのはわたくしたちなのに見られている、だなんて……そう聞きますと、ちょっと恐ろしいですわね」
魚鷹りょう : 「……ま、気にしすぎてもしょうがないんじゃない?シアターでオペラ……イドメネオ、だったっけ。そろそろ時間だし、行こ」
■二日目正午・シアター
KP : ちょうどドキュメンタリー映画が終わり、客の入れ替わりが行われているようだ。
あなた達もならんで、それなりにいい席で座ることができる。
KP : 主人公イドメネオは船に乗っている時、嵐に見舞われてしまった。しかし、幸運にも海の神ネプチューンに命を救われる。対価として陸で一番初めに会う人間を生け贄にするようにとの契約を交わした。しかし、イドメネオが陸に上がっていちばんに会ってしまったのは息子だった。イドメネオは最愛の息子と神との約束に挟まれてしまう。
イドメネオはなんとか息子を守り通そうと奔走した。最後にはネプチューンが二人の愛に感動して許してくれるという、少々強引さすら感じられるハッピーエンドに終わる。
寿敬一 : CCB<=60 アイデア (1D100<=60) > 13 > 成功
花山院金糸雀 : CCB<=75 アイデア (1D100<=75) > 84 > 失敗
鷲尾倫太朗 : CCB<=70 【アイデア】 (1D100<=70) > 2 > 決定的成功/スペシャル
魚鷹りょう : CCB<=85 【アイデア】 (1D100<=85) > 52 > 成功
KP : あなた達は映画を見て、先ほどのメイン絵画の不気味な雰囲気はこの喜劇にはいささか釣り合っていないんじゃないか、と思った。
■・二日目午後・カフェ
KP : ゆったりできそうな明るいカフェだ。夜はバーだったが、雰囲気はかなりしっかりわけられている。そんなに人は入っておらず閑散としている。
KP : カフェに入ろうと入り口で待つが、スタッフがなかなか来ない。呼び鈴が入り口に置いてあり、それを鳴らすとようやく慌てた様子でスタッフが応対にやってきた。
KP : 席に通された後も同じスタッフが注文を取りに来る。ほかのスタッフの姿は見当たらないようだ。
寿敬一 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 58 > 成功
KP : あの老人のものと思われる風呂敷が机の上に忘れられている
寿敬一 : 「あれ、あの古臭い風呂敷……忘れ物か?」
魚鷹りょう : 「あれって昨日の……?」
花山院金糸雀 : 「あら、そうですわね。あのおじい様の……何か大切なものが入っていたらきっと困ってらっしゃるわ。申し訳ないけれど、部屋とか分かるもの入ってるかしら……?」
魚鷹りょう : 「ちょっと失礼してみよっか。内緒ね」
花山院金糸雀 : 「えぇ!内緒にいたします!」
KP : 風呂敷の中からは短歌を書くためのお札が見つかる。手書きで何か書いてあるようだ。
KP : 『イドメネオ 神は気まぐれ 世は情け 愛する人は犠牲に出来ぬ』
花山院金糸雀 : 「これ、イドメネオを題材に詠んだものかしら」
魚鷹りょう : 「みたい、だね。にしてもベタってか……」
花山院金糸雀 : 「シンプルでとても素敵だと思いますわ~!折角の作品が無くなったら悲しいですわよね、やっぱり後でどうにかお渡し出来ると良いんですけれど」
魚鷹りょう : 「ん、じゃあ持ってこっか。昨日あんな感じだったし甲板にいるかも」
花山院金糸雀 : CCB<=65 聞き耳 (1D100<=65) > 52 > 成功
KP : キッチンのほうからも聞こえてくる物音は少ない。どうやら本当にスタッフが足りていないようだ。客も少ないのに料理の提供にも時間がかかっているように見える。
花山院金糸雀 : 「今日はお客様もだけれど、店員の方も少ないですわね。人手が足りていないようですし……お手伝いしに行こうかしら?」
魚鷹りょう : 「あ〜……」
魚鷹りょう : 「風呂敷、届けなきゃだし、もうちょっと付き合ってもらっても良い?」
花山院金糸雀 : 「!えぇ、もちろんですわ、責任をもってご一緒致します!」
魚鷹りょう : 「ありがと」
■二日目夕方・甲板
KP : 解放的なつくりの甲板だ。何人かはまばらにパラソルの下でドリンクを楽しんでいる。潮風がさぞかし気持ちいいことだろう。
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 75 > 失敗
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 17 > 成功
寿敬一 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 19 > 成功
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 21 > 成功
KP : 老人の姿は見えないようだ。しかし、きょろきょろと甲板を見回している少女が目につく。
寿敬一 : 「……あれ、あの子。迷子か?」
鷲尾倫太朗 : 「あら?本当だわ」
鷲尾倫太朗 : 「こんにちは。可愛いクマさんね」
少女 : 「!、あ、えっと……」
鷲尾倫太朗 : 「突然話しかけてごめんね。困ってるみたいだったから。誰か探してるの?」
少女 : 「……う、ぱぱとね、ままが……っいないのお……っ」
鷲尾倫太朗 : 「そうなの?そっかあ、寂しかったわね。お外には、パパとママと一緒に来たのかな」
少女 : 「ううん、わたしね、ひとりでお船を冒険してたの……ここでね、まちあわせしようねって言ったのに~っいないのお……!」
鷲尾倫太朗 : 「そうなのね。……どうしようかしら」
KP : その時ひときわ強い風がふく。それにあおられ、彼女が持っていたぬいぐるみが宙を舞った。
少女 : 「くまさん!」
KP : 女の子も柵から身を乗り出す。危ない!あなた達がそう言うより1歩早く、影が目の前をよぎった。一瞬遅れて、脱げた帽子が空を舞いあなた達の足元に落ちる。
武相颯真 : 「……危ないスよ」
KP : 少女を抱きとめ、柵の向こうでぬいぐるみをキャッチした警備員の青年が一言、そう言った。
寿敬一 : 「颯真さん!かっけー!ナイスキャッチです!」
花山院金糸雀 : 「武相様~~!!流石ですわ~~!!!」
鷲尾倫太朗 : 「よ、よかったあ……」
武相颯真 : 「はい、これ」
少女 : 「ありがとう、警備員さん!」
少女 : 「わたし、ぱぱとまま、もう一回さがしにいってくる!くまさんと一緒だから、だいじょうぶ!」
鷲尾倫太朗 : 「一人で大丈夫?一緒に探そうか?」
少女 : 「ううん、ぱぱとままね、絵をみたいって言ってたのおもいだしたから!2Fにいってみる!」
KP : 彼女はそう言って手を振りながら甲板を後にして走り出してしまった。
少女に手を振る颯真の手がずるむけ、血を流しているのが見えるだろう
鷲尾倫太朗 : 「……颯真さん、よね。さっきはありがとう……」
武相颯真 : 「や、別に」
鷲尾倫太朗 : 「腕、見せてもらってもいいかしら?」
鷲尾倫太朗 : CCB<=80 【応急手当】 (1D100<=80) > 98 > 致命的失敗
武相颯真 : 「いだだ!ちょ、え?や、大丈夫ス、平気スこれくらい」
鷲尾倫太朗 : 「っ……ご、ごめんなさい、手が震えて……」
武相颯真 : 「いや、ほんと、マスターキーで部屋色々横切ったら休憩室まですぐなんで」
鷲尾倫太朗 : 「本当にごめんなさい……良かったらコレ、使ってね」
鷲尾倫太朗 : 救急セットを渡す
武相颯真 : 「……どうも」
寿敬一 : 「……そういえば、麗一郎さんのことなんですけど。なんかこの船乗ってから、変わったとことかありませんでした?」
寿敬一 : 「なんか、うまく言えないんすけど……前会ったときと、印象?雰囲気?が違うっつーか」
武相颯真 : 「……麗一郎さん?……ううん、そう、だな……」
武相颯真 : 「……わかんない、かも。俺も、変だなとは思ってる、けど」
寿敬一 : 「あ、やっぱり颯真さんから見てもそうなんですね。……展示室の奥とか行きました?他の警備の人の様子もおかしくて」
武相颯真 : 「展示室の警備員?……そうなんだ。や、俺はずっと外担当だから」
寿敬一 : 「なるほど。や、変なこと聞いてすみません。ちなみにメインの絵はまだ見てないんですか?あれ、超圧倒されちゃって。すげー絵ですよね」
武相颯真 : 「ああ……船に乗せる前になら。確かに、キレイな絵だった、かな。俺あんま……わかんないけど」
寿敬一 : 「キレイ?……これが感性の違い、ってやつかなあ」
武相颯真 : 「……あ、すんません、お客さんの前で」
魚鷹りょう : 「いえ、お構いなく。綺麗な絵、って詳しく聞いても?例えば……色、とか」
武相颯真 : 「色スか?白とかピンクとかスかね」
魚鷹りょう : 「なるほど。どうも。……あ、すみません、風呂敷、拾ったんですけど、見てないですか?持ち主のご老人」
武相颯真 : 「……。見てないスね」
魚鷹りょう : 「そっか。ありがとうございます」
武相颯真 : 「ス」
■二日目夕飯
KP : テーブルにはコース料理の前菜が用意されている。冷製パスタサラダのようだ。
テーブルセットはどの机も済んでいるが、手が付けられているものも着席している机も明らかに少ないと思うだろう。
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 40 > 成功
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 80 > 失敗
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 60 > 成功
KP : 少女もお爺さんも見当たらない。もちろん最初にいたピンクの服の貴婦人も、若い夫婦と思しき連れ合いも見当たらない。
KP : 少女の悲鳴が響く。どうやら展示室から聞こえたようだ。にわかに船内が騒がしくなる。バタバタと展示室へ向かう人々に次ぎ、あなた達も悲鳴の元へ向かうだろう。
■二日目夜・展示室
KP : バタン!
勢いよく扉が開く。猛烈な鉄の匂いが潮風を蝕んで鼻に突き刺さる。
視界を占拠する赤。赤赤赤。
壁に天井に、絨毯に!赤黒い血が染み付いて部屋を覆い尽くす。
見覚えのある老人だった。彼は口からまだ生ぬるい血を吐き零し、濁った瞳は虚空を見つめもう瞬きをしない。
彼を抱きとめて呆然としているのは。
KP : 警備員の制服を真っ赤に汚した、武相颯真だった。
少女 : 「あっ、お、お兄さんたち、あの、あのね……っ」
少女 : 「わたし、わたしっぱぱとままを探しててね、そしたらねっ、警備員の、お兄さんとおじいさんがあ……!」
少女 : 「うう~……っ!わたし、わたし~……っ!こわ、こわくて……!」
鷲尾倫太朗 : 「……だいじょうぶ、よ。おいで。アタシの近くから離れないで」
少女 : 「うう、ええーん……!」
寿敬一 : 「颯真、さん。何があったんですか。その人は……」
武相颯真 : 「……寿くん、……えっと」
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星】 (1D100<=60) > 80 > 失敗
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 (1D100<=75) > 82 > 失敗
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】⇨絵 (1D100<=75) > 62 > 成功
KP :かわらずあの不気味で真っ黒な絵だ。1d55
[秘匿(おしまい,たま)] 魚鷹りょう : 1d55 (1D55) > 31
KP :相変わらず不気味な絵だ。見ているとなんとなく不安になる。
寿敬一 : CCB<=75 目星➡全体 (1D100<=75) > 24 > 成功
KP : 部屋全体はあまりにもおびただしい量の血液で汚れている。
新しい血液だけではないように感じた。
寿敬一 : 「……この血、新しいモンだけじゃなさそうだな……いつの、誰のだよ」
寿敬一 : CCB<=30 知識 (1D100<=30) > 45 > 失敗
花山院金糸雀 : CCB<=65 知識 (1D100<=65) > 23 > 成功
鷲尾倫太朗 : CCB<=80 【知識】 (1D100<=80) > 43 > 成功
鷲尾倫太朗 : CCB<=90 【医学】 (1D100<=90) > 25 > 成功
KP : 明らかに一人の人間から流れ出る量の血ではないとわかる。数人どころか数十人分はありそうに見えるだろう
KP : 新しい血から古い血までたくさんあるようだが、血と血に新しさが大きく異なるわけではなく、徐々に徐々に時間が経っていっているようだ。
古いものから一足飛びで新しくなっているのではなく、定期的に血が流されていたように見える。
花山院金糸雀 : 「この血の量、とても一人の方の量とは思えませんわ……。数人…いいえ、もっと、数十人分は、きっと」
鷲尾倫太朗 : 「この血……古いものも新しいものもあるけど……ずっと長い間、血が流されていた、みたいな……。きっとこの航海よりも、前から」
麗麗一郎 : 「何事だね!」
武相颯真 : 「……麗一郎さん」
麗麗一郎 : 「これは……、どういうことだ?君は……」
麗麗一郎 : 「……何か、言うことはないのかね?」
武相颯真 : 「……」
麗麗一郎 : 「……そうか」
麗麗一郎 : 「仕方がない。拘束させてもらおう」
KP : 麗一郎の合図で慌てて2人ほどの警備員がやってくる。
彼らは戸惑いながらも颯真を拘束し展示室を連れてでる。
颯真はただじっと黙り、唇を噛み、大人しく彼らに従って歩いた。
寿敬一 : CCB<=75 聞き耳 (1D100<=75) > 2 > 決定的成功/スペシャル
KP : 窓が開いているようで海風の音がゴウゴウと激しく耳に届く。それでも血の匂いは外に出きらず、空気は淀んでいる。
麗一郎が傍を通った時、よりいっそう強く海風に匂いがした気がした。
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星→颯真】 (1D100<=60) > 77 > 失敗
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星 対麗 (1D100<=75) > 61 > 成功
KP : 颯真のことがあったにしては冷静なように見える。淡々と警備員に指示をしていたという印象を受けるだろう。
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 35 > 成功
KP : 腹をナイフで刺されており、ナイフはそのまま体に刺さっている。しかし刺し傷はひとつではないようで、失血死したようだ。
口元の血だけ薄まっている。大量に唾液でも吐き出したのだろうか?
麗麗一郎 : 「展示室は閉鎖させてもらおう。皆さまお引取りを!」
KP : 麗一郎はそう言って立ち去った。人々もまばらに踵を返し、展示室からいなくなっていく。
KP : どうか俺の顔を覚えていてくれ!と顔面蒼白に迫ってきた彼の様子を思い出す。そういえば、彼の姿は見えない。
まさか、本当に自分たちも?
いやでもそうよぎる頭は、窓の外に見える真っ黒な海の情報に支配されていた。
■三日目午前
KP : あなた達が部屋を出て歩いていると、突然ドン!!と大きな音が鳴る。
KP : 「関係者以外立ち入り禁止」の扉からだ。鍵だけではなく、つっかえ棒のようなものがしてある。一間を置いて再び音が鳴る。扉が僅かに揺れていた。
武相颯真 : 「……誰かいるんスか」
KP : それは昨夜拘束された颯真の声だった。
寿敬一 : 「颯真さん!俺です、寿です!」
武相颯真 : 「……寿くん?……良かった、寿くんで」
武相颯真 : 「出してほしい、扉、全然あかなくて。何か置いてある?」
寿敬一 : 「えっと……つっかえ棒がしてありますね」
武相颯真 : 「……俺、たぶん、わかる。今回の……犯人。まだ、……言いたくない、けど」
寿敬一 : 「……」
KP : あなた達がつっかえ棒を取ると離れて、と声をかけられる。大人しく下がると一度、二度と大きな音ともに扉が震え、三度目には革靴が勢いよくそれを蹴破り視界に現れた。
武相颯真 : 「……ありがとう」
KP : もう血まみれの服は着ていない。血が滲んでいるのは、昨日少女を助けた拳だけだった。
寿敬一 : 「……良かった。って、言っていいのかわかりませんけど。……颯真さん、これからどうするんですか」
武相颯真 : 「……麗一郎さんの部屋、行く。マスターキーでなら入れるから」
魚鷹りょう : 「ひとつ、確認しておきたいんだけど」
武相颯真 : 「はい」
魚鷹りょう : 「アンタじゃない、で良いの?俺は三人と違ってアンタのこと良く知らない、それでも……信じろって?」
寿敬一 : 「颯真さんはそんなことする人じゃありません!……そうでしょ」
武相颯真 : 「……寿くん」
魚鷹りょう : 「……俺は、今、この人に聞いてるんだよ、敬一くん」
寿敬一 : 「……」
武相颯真 : 「……俺は」
武相颯真 : 「俺は、なんも知らないまま諦めたくないだけス」
魚鷹りょう : 「……」
魚鷹りょう : 「……うん、良いよ。分かった。信じる。君みたいな口下手なやつ、嫌いじゃないしね」
鷲尾倫太朗 : 「……そうね、アタシも行くわ」
鷲尾倫太朗 : 「ここで引いたらオンナがすたるもの」
花山院金糸雀 : 「わたくし……わたくし、は、いつもと違った麗一郎様も、血塗れだった武相様も、少し怖くて…誰も疑いたくないけれど、ただ信じて誰かがまた傷ついたり、居なくなるのも、怖くて」
花山院金糸雀 : 「…でも、ここで何もしないだなんて、花山院家は許しませんわ。なにより、私が許せませんもの。だから、私も着いて行かせて下さいませ」
武相颯真 : 「……そスね。行きましょう」
■三日目午後・麗一郎の部屋
KP : 麗一郎の部屋は拍子抜けするほどおかしな様子はなかった。まるで、ただそこで生活をしているだけのように。
鷲尾倫太朗 : CCB<=60 【目星→トランク】 (1D100<=60) > 97 > 致命的失敗
魚鷹りょう : CCB<=75 【目星】 (1D100<=75) > 86 > 失敗
寿敬一 : CCB<=75 目星➡トランク (1D100<=75) > 50 > 成功
KP : 倫太郎がトランクの中をかき回した時、うっかり万年筆のフタをあけてしまい、中にインクが零れ落ちてしまったようだ。
寿の見つけた日記がインクまみれになっている。
鷲尾倫太朗 : 「きゃっ!? ウソ、どうしよう……」
寿敬一 : 「ありゃ。服、汚してませんか?……とりあえず見れるもんから見てみましょ」
KP : 「○月✕日
次の標的の■■決まった。航行主催も馬鹿そうな金■■■、計■■■正も警戒■■■■いだろう。
もう■■■■生贄の数も十■■■ろうか。胸が高鳴る。■■■船では美■展■■すらしい。魔床も■■■しまえばいいだろう。絵を傷つける■■■■■まい。」
「○月✕日
まっ■■■■だのボンボンかと思ったが意外と手こずった。成り代わりが当日になってしまったが、■■■■■。
魔床もいつもよ■■■■よく人の気を集めている。それにイ■■アの文化人サマば■■■お客ときた。仕■■■■■■ろうな。知能のある人間の方が、■■■■食べ■いが■■■■ろう。」
「○月✕日
あの警備員の男、俺に気づい■■■か?処分した方■■いな」
寿敬一 : CCB<=75 目星ベッド (1D100<=75) > 30 > 成功
KP :ベッドの下で何かがギラリと鈍く光る。
気をつけて取りだしてみると血がべっとりと着いたナイフだった。
刃先は錆びており、切れ味は相当悪くなっているだろうと予想が着く。
しかし、その刃先は丸まっており、まるで鈍器のように何度も使用されたかのような様子だった。
花山院金糸雀 : CCB<=75 目星→テーブル (1D100<=75) > 25 > 成功
KP : テーブルにはメモが置いてある。
KP : "Ph'nglui mglw'nafh Cthulhu R'lyeh wgah'nagl fhtagn"
鷲尾倫太朗 : 「金糸雀ちゃん、何か見つかった?」
鷲尾倫太朗 : CCB<=5 【クトゥルフ神話】 (1D100<=5) > 64 > 失敗
花山院金糸雀 : 「なにか書いてあるみたいですけど、見たことがないですわねぇ……」
KP : 金庫は颯真が部屋に入って真っ先に探索をしていたようだ。
彼は番号を知っているようで、すんなりと金庫を開けてみせる。
魚鷹りょう : 「すご。番号知ってるんだ。仲良いんだね」
武相颯真 : 「まあ、はい」
KP : 中には適当に折りたたまれ傷んだ美しい絵画がある
穏やかにきらめく海が親子ふたりを祝福する見事な絵画だった。
花山院金糸雀 : 「……麗一郎様が絵画をこんな風に扱うはずありませんわ!」
武相颯真 : 「そうスよね……あの人が、やっぱりそんなわけ、ないスよね」
花山院金糸雀 : 「えぇ!絶対しません!皆様もそう思いますわよね、こんな綺麗な絵!綺麗でないとしても、丁寧に扱いますけれどっ」
武相颯真 : 「……あのお爺さんを刺したのは、麗一郎さんの姿をしたあいつでした。……俺、見過ごせません。絶対、この船に残ってる人のこと守ります」
■三日目夜・展示室
KP : 夜の展示室には簡単に入ることができた。そこに立っていたはずの警備員すら姿を消していたからだ。
生ぬるい空気の中、あの絵はそこにたたずんでいる。
寿敬一 : CCB<=80 こぶし→額縁 (1D100<=80) > 72 > 成功
KP : ガシャン!と音を立てて絵を守っていたガラスが割れる。尖った切っ先のガラス片がたくさん生まれることだろう。
麗麗一郎 : 「誰だ!!」
KP : 上品さとは縁もない怒号が響く。
髪を振り乱し、息を荒らげた"麗一郎"がそこにはいる。目が鈍く光り、見え隠れする歯は尖っていた。
麗麗一郎? : 「その絵は俺のものだぞ、触るな!」
KP : "麗一郎"が1歩踏み込み手を伸ばす。しかしそれもあなた達には届かない。
ぬいぐるみが空を舞った時と同じだ。あなたたちの前を影が横切る。
KP : バシ!
KP : 乾いた音を立てて、颯真の手が"麗一郎"の腕を掴んだ。
今の隙になら、あなた達はたったひとつなんでも行動を取れる!
寿敬一 : CCB<=80 こぶし→麗一郎 (1D100<=80) > 73 > 成功
寿敬一 : 1D3+1D4 こぶしダメージ (1D3+1D4) > 3[3]+4[4] > 7
麗麗一郎? : 「やめろ!やめろおお!!」
花山院金糸雀 : 「ごめんなさい、…でも、ネプチューンは呪いじゃなくて、愛を選びましたから。それを歪めるなんて、麗一郎様は絶対望みませんわ!」
KP : 絵画は音を立てて亀裂をその身に受ける
KP : どろりどろりと絵の具がその隙間から溶けていく。いや、それは果たして絵の具だったのだろうか?鼻をつんざく臭いは潮か、鉄か、あなたたちの知る限りオイルの匂いではない。
それの零れ出る音は海鳴りにも、人の呻きにも、"何よりもおおいなる者"の怒声にも聞こえた。許さまい、許さまいと嘆き唸りその怒りが天井を焦がす。
黒煙に包まれるあなた達の気道を侵したのは確かな「負の感情」だった。
SANc(1d3/1d10)
鷲尾倫太朗 : CCB<=66 【SAN値チェック】 (1D100<=66) > 22 > 成功
寿敬一 : CCB<=62 SANチェック (1D100<=62) > 77 > 失敗
魚鷹りょう : CCB<=65 【SANチェック】 (1D100<=65) > 32 > 成功
花山院金糸雀 : CCB<=85 SANチェック (1D100<=85) > 77 > 成功
鷲尾倫太朗 : 1d3 (1D3) > 2
寿敬一 : 1d10 (1D10) > 3
魚鷹りょう : 1d3 (1D3) > 2
花山院金糸雀 : 1d3 (1D3) > 2
system : [ 鷲尾倫太朗 ] SAN : 66 → 64
system : [ 寿敬一 ] SAN : 62 → 59
system : [ 魚鷹りょう ] SAN : 65 → 63
system : [ 花山院金糸雀 ] SAN : 85 → 83
麗麗一郎? : 「許さん!許さんぞ、お前たちのような下賎な人間ごときが……!!」
KP : "彼"を中心に黒煙がうずまく。あなたたちの頭上に漂っていたはずの煙は台風のように彼へと吸い込まれていった。
バリバリ、バリと"彼"の皮膚がひび割れていく。その隙間へ隙間へと負が染み込む。
そのまま彼はあなた達へ襲いかかってくる!
花山院金糸雀 : CCB<=55 ショットガン(唐辛子スプレー) (1D100<=55) > 29 > 成功
寿敬一 : CCB<=80 こぶし (1D100<=80) > 87 > 失敗
鷲尾倫太朗 : CCB<=80 【キック】 (1D100<=80) > 23 > 成功
鷲尾倫太朗 : 1d6+1d4 (1D6+1D4) > 6[6]+2[2] > 8
麗麗一郎? : 1d4 (1D4) > 1 呪文「萎縮」
麗麗一郎? : 1d4 (1D4) > 1 対象:花山院金糸雀
→魚鷹りょう : CCB<=60 【こぶし(パンチ)】 (1D100<=60) > 33 > 成功 呪文の詠唱の阻止
武相颯真 : CCB<=75 【キック】 (1D100<=75) > 90 > 失敗
花山院金糸雀 : CCB<=55 ショットガン(唐辛子スプレー) (1D100<=55) > 85 > 失敗
寿敬一 : CCB<=80 こぶし (1D100<=80) > 71 > 成功
寿敬一 : 1D3+1D4 こぶしダメージ (1D3+1D4) > 1[1]+4[4] > 5
寿敬一 : 「オラアッ!」
麗麗一郎? : 「ああ、ああ!そんな、馬鹿な!」
KP : "彼"はよろめき、後ずさってそのまま甲板へと身を乗り出す。月の光が、その姿を照らしだした。
パキパキと割れていた肌が、少しずつ、暗く、暗く色づく。ひび割れは深くなり、波紋のようにひろがって、まるで鱗のように変化していった。
麗麗一郎? : 「う"ああ!ああ!かは、ひゅ」
KP : 耳がバキバキとその骨をのばし、皮膚を食い破り新たにエラが生える。頭を抑える手は醜く肥大し、指と指の間に薄く血色のない膜が貼られていく。
折り曲げた背は膨張し、人間の皮膚よりもずっと分厚く、青白く染まる。ゴリ、ゴリゴリと内部で骨が動く音がする。
麗麗一郎? : 「あ"あ"あ"ーーっ!!」
KP : "彼"が唸り空を煽る!その月光が反射し、ぎらりと鈍く光る瞳!もはやそれは人のものではなかった。
ペタリ、ペタリ、ペタリ。1歩ずつ、1歩ずつよろめく。
最後に"彼"が手を伸ばしたのは果たしてどこに向かってだったのか。
柵を乗り越え、"彼"の姿が視界から消える。
KP : ぼちゃん
KP : 重い水の音が、"彼"は海に飲み込まれたことを思い知らせた。
KP : その後、それ以上人が消えることはなく、船は無事帰港した。
港の近くでは本物の麗麗一郎が気を失って倒れているのが見つかったそうだが、彼も命に別状はないという。
今回のことを、颯真は素直に警察に話したが、誰も信じてはくれなかったと言っていた。
海はただ穏やかに、夏の陽射しを受け煌めいているだけだった。
KP : END 「イドメネオの祝福」
KP : SAN回復1d10
寿敬一 : 1d10 (1D10) > 10
花山院金糸雀 : 1d10 (1D10) > 1
魚鷹りょう : 1d10 (1D10) > 5
鷲尾倫太朗 : 1d10 (1D10) > 3
system : [ 花山院金糸雀 ] SAN : 83 → 84
system : [ 寿敬一 ] SAN : 59 → 68
system : [ 鷲尾倫太朗 ] SAN : 64 → 67
system : [ 寿敬一 ] SAN : 68 → 69