溶けたマシュマロとパンケーキの隠し味 3
「休みなのにアンタたちと顔合わせなきゃいけないの、何かの罰ゲーム?」
しかめっ面の歌姫に、五条が舌を出した。
燦々と降り注ぐ太陽光が容赦なく肌を焼く。硝子は手のひらを目の上にかざした。普通に眩しい。五月の晴天を舐めていた。
街はようやく起き出したところだった。休日の東京の朝は遅い。開店時間前に繁華街を歩く人は少数だ。怠惰な休日にはふさわしい。連休で旅行に行っている人も多いのか、繁華街はいつもより少しだけ控えめだ。近くの改札から吐き出される人数もなんとなく少ないような気がする。
眩しいので、硝子は少し移動して五条の影に入った。こういう時は無駄にある身長が役に立つ。
あまりに有名な犬の銅像の前で、四人は集まっていた。
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