肺も凍えるくらい冷え込む12月。ただこの日だけは体の内から熱が溢れていて鼓動もうるさいくらい高鳴っていて、寒いはずなのに服の下は少し汗ばんでいた
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『今度ご飯行く?』
突然だった、あの今をときめくアイドル葵ゆうたからご飯に誘われたのだ、なぜか。
突然の誘いに脳での処理が追いつかず口からは素頓狂な声が出てしまい、それを聞いたゆうたは軽く笑みをこぼしていたからすこし恥ずかしかった。
この痴態がなければそのあとは二つ返事で応じて約束を取り付け、その流れでさらっと連絡先も交換してしまった。正直テンポが早すぎて途中は夢かと思っていた。本来なら交換できないと思っていた遠い場所にいる相手がこんなにも近くにまで急接近してきたのだから
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