朝帰りした41の「何もなかった」が信じられないけど好きだから許してしまうkisのSS 惨めな心地がした。
最初に「好きだ」と告げられた時、世一のことは好きでも何でもなかった癖に、舞い上がった。後から振り返れば、それが「好き」という事だったのであろう。
世一は優しい恋人であった。連絡はマメで、朝はコーヒーを入れてくれた。だから、コーヒーの匂いで目覚めることが癖になったのだった。
朝、コーヒーの匂いがしなかった日。
寝ぼけ眼を擦って、上手く目覚められないことに疑問を抱いた。そこで初めて、世一がいないことに気がついた。昨夜、世一がパーティに出掛けたことを思い出す。懇意にして貰っているスポンサーの接待との話だった。ぜひカイザー選手も、と声がかかったが、昼間、別のパーティに出席する予定があったため断った。
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