〇〇しないと出られない部屋一体全体何がどうなったと言えばいいのか、真っ白な壁に囲まれた部屋にベッドが一つ、何が入っているか開けたいようで開けたく無い三段になっている棚、絶対開けてなんかやらないぞと主張しているかの様な明らかに頑丈そうなドア。
そんなよくわからない部屋に、僕と金城はふたりきり。おまけにほんの数年前まで着ていた見慣れた黒い学生服姿。一体誰が着せたのなんて考えたくないけれど、当時のままの着方そのもので、全てのボタンがきっちりと閉められていて、なんだか喉元が少し窮屈に感じた。
「日和くんも学ランだったんだ」
ベッドに腰掛けて、足をぶらぶらとさせる彼もまた、僕と同じような黒い学生服姿。でも僕とは打って変わって、閉まっているボタンなんてひとつもない。大胆に開かれた真ん中からは今でも良く着ているようなタンクトップが見える。首元からぶら下がっているのはいつもの銀色の忌々しい存在を辿っていけば、タンクトップの隙間からのぞく男にしては大きい肉の塊にごくりと思わず唾を飲み込む。
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