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冷たい暗闇なのに暖かい。
目が覚めると、寝ている阿絮の両腕に頭をくるまれている。
そんな朝が多い。
いつも嬉しすぎて速攻でぎゅうぎゅうとき抱き締めてしまい、寝起き最悪の阿絮に怒られる。今日はもう少しこの暖かさを楽しんでいたいので絶対に動かない。
───絶対動かない。
しばらくじっと耐えていると頭の後ろを暖かいものがゆっくり髪を滑る。何度も何度も行ったり来たり。
───絶妙に動かないっ。
後ろ頭を温かさが行来していると、頭のてっぺんにもぬくもりがやって来た。髪を掻き分けてそれはそれは柔らかいものが地肌に触れる。
───絶っ対に動かないっっ。
動かないよう必死に堪えていると頭の後ろの温かさがするりと耳の裏を通り首に降りてきた。優しく肌をなぞりながら、それは喉元の少し手前で止まった。触れるものが皮膚を押し込む。
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