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    n6i2l6o

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    ウエストセクターについて考えていたら、いつの間にかジュニアが結婚していた。

    【注意書き】
    ・司令着任3か月(今年3月)頃のイベスト未読時代に書いた話です(※とても齟齬がある)
    ・二次創作
    ・何でも許せる方向け(本編から数年後の時間軸、ジュニア他が結婚している等)
    ・納得が行かず、完成を先延ばしにしていたら、まさかの原作とネタ被り(?)したので、ここに供養します

    ##エリオスR
    ##レオナルド・ライト・Jr
    ##フェイス・ビームス

    【エリオスR】友人代表スピーチ 本日はお日柄もよく――なんて、堅苦しい定型文の挨拶は、あくびが出ちゃうくらい退屈だから抜きにしておくね。
     こういうスピーチにうってつけの「ヒーロー」――俺たちにとっては元メンターね――の彼の方が適任じゃない? って一応俺からは進言しました。そのラブ・アンド・ピースをこよなく愛するディノの結婚式で、お手本のようなスピーチを披露した兄みたいなのを求めてるなら余所を当たってねとも。でも、彼曰く「そうじゃない」と――俺らしいのが良いんだって、変わってるよね。まあ、そこまで言ってくれるなら――ってことで引き受けたワケです。なので、俺らしく、気ままに、自由なスピーチをさせていただきます――っと。よろしくね。

     まずは、おチビちゃん――結婚おめでとう。アハ、他人ヒトの旦那さんを悪し様に言うのは良くないよね。でも、これは罵詈雑言の類いじゃなくって、ルーキー時代の癖って言うか、愛称って言うか……。だけど今じゃあ彼自身の名前で呼んでるから、俺も「おチビちゃん」って呼ぶのは本当に久しぶりで何だかちょっと緊張してるみたい。でも今日は、昔みたいにこう呼ぶのを許してほしいな。ちょうど、懐かしい話もしたいと思ってたしね。

     知ってる人も多いと思うけれど、俺とおチビちゃんは、ヒーローになったばかりの頃、ルーキー研修制度で同じウエストセクターの配属になりました。当時はキース――ああ、そう、キース・マックスです――と異例の三人チームだった。おチビちゃんは当時まだぴちぴちの十六歳。「ジュニア」って呼ばれるのが嫌で、将来は自分の名前で呼ばれるんだって、「オリジナルネーム」の案をノートに書き溜めてたっけ。結局、今の名前はあの頃おチビちゃんが考えてた案から採用したの? ――ああ、一緒に選んでもらったんだ。ううん、良い名前だと思ってるよ。
     そういう正当に評価されることに一生懸命になれるおチビちゃんを、『ヒーロー』という職業に誇りを持って携わるおチビちゃんを、俺は斜に構えて眺めながら、本当はずっと焦がれて憧れてた。――嘘じゃないって……それは、今日初めて言ったからね、おチビちゃんが知らないのも無理はないでしょ。
     こんな風に俺もおチビちゃんも、当時は思春期真っ只中……っていうか、おチビちゃんは正確に、全うな、思春期――むしろ反抗期真っ只中で、チームメイトだろうが他所のとこのメンターだろうが、気に食わないことがあるとすぐに突っかかってたよね。むしろ突っかからなかったのはマリオンとディノくらいじゃない?
     一方、俺は色々拗らせてて、今思い返すとちょっと居た堪れなくなるカンジ。「モラトリアム」なんて洒落た言葉で誤魔化すつもりもないけれど。……で、キースはキースで大変な時期だったから――あー……まあ、お酒もね、あるんだけど――俺とキースは真面目なおチビちゃんに叱られてばっかだったっけ。
     その頃は、真面目だなーと思ってたし、小姑みたいだなーとも思ってた。だけど、俺自身、メンターの立場になってみて――こら、おチビちゃん、どうしてそこで笑うの。……そりゃあ俺だってガラじゃないって思うけど、お役目として仰せ付けられたら、やるしかないでしょ――でもまあ確かに『ヒーロー』に成り立ての頃の俺が聞いたら、あからさまに嫌な顔しそうだよね。
     どこまで話したっけ――ああ、そうそう、メンターになってみて……だよね。メンターっていう立場を経験して、誤りを指摘したり、指導したり、ときには叱ったり――そういうのって本当にカロリーを消費するんだな……って実感した――もちろん、必要なことなんだけどね。分かってたつもりだったけど、他人と深く関わることを長らく避けていた俺にはかなりの重労働でさ。おチビちゃんはルーキーの頃から基本的にはしっかりしてたから――あ、そこツッコむの? いや……「基本的に」を詳細に説明すると、おチビちゃんの顔が立たないかなと思って、敢えて濁したんだけど、そこまで言うなら――そう? アハ、残念。気になる人は後で本人に直接訊いてね。
     ――ああ、誤解のないように言っておくけど、俺たちはルーキーの頃からいつもこんな感じ……当事者が言うのもなんだけど、今日はこれでも大人しいぐらいだよね? ――だから、全然険悪なムードとかじゃないんだ、安心してね。
     そんなワケでメンターになってから、当時のおチビちゃんに改めて舌を巻いたんだよね。――その、辛抱強さに。パワフルさに。そして、俺やキースに注いでくれた愛情に。――何? ……揶揄ってないよ、馬鹿にしてもない。これは紛れもない、俺の本音――って、信用ないなぁ。
     だってそうでしょ。相手のこと、どうでも良いって思ってたら、自分に被害が及ばない範囲で、後はどうとでもなれって思っちゃうじゃん――メンターの立場なら、責任問題もあるけどさ。――でも、そうやって見放さずに、突き放さずに、おチビちゃんはいつまでも根気強く俺とキースを叱り続けてくれた。
     それはおチビちゃんが、そこに座っているお兄さんたちから、沢山の愛情を注がれて、そして、おチビちゃん自身が培ってきたものなんだろうなって常々感じてるんだ。
    「常々」って言うのは、おチビちゃんの受け取ったきた愛情を感じるのが、何もそういうときに限った話じゃなくてね。
     俺たちは今も昔も大体こんな風にお互いをおちょくり合って過ごしてたけど――おチビちゃんもでしょ、俺だけに全部なすりつけないでよ――、本当に嫌なことには絶対に踏み込まないんだよね。傷口に貼る絆創膏は持ってなくても、そっとハンカチを差し出してくれるみたいに寄り添ってくれてさ。
     それに、おチビちゃんは家族とか兄弟から寄せられる信頼に、何の疑いも持たない――そういう物の見方に、俺自身ハッとすることもあったっけ。――あったよ。……うちのアニキが俺たち三人を同じチームに編成したとき……うん。

     あー……何言おうとしたんだっけ――やっぱり俺、こういうの向いてないよ。
     でも……そうだな――、元チームメイトから言えるのは、きっとおチビちゃんを夫に、父親に持つ人は幸せだろうなってこと。きっとおチビちゃんの家庭は、愛に満ち溢れるだろうなってこと。だってそうでしょ? 誰よりも愛情深くて、誰よりも一生懸命になれる人なんだから。きっと――そう、ディノの大好きなラブ・アンド・ピースな家庭を築けるよ。

     だから、どうか、末永くお幸せに。
     善き人である君の――君たちの幸福を心から願ってるよ。

     ウエストセクターのお兄ちゃんより――なんてね。
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