プロットお題「写真」
書き出し
チェストの上に置かれた写真立て。こはねが高校一年生の臨海学校先で拾ってきたシーグラスを使って作成したものである。その中に飾られた一枚の写真を見て、
※彰人視点
彰人:高校三年生。少し前にこはねへの想いを自覚したばかり。恋愛偏差値ゼロの男(絵名の所持する少女漫画くらいしか予備知識がないので偏っている)
《起》こはねの部屋にいる経緯
起:写真(初めて4人で撮った写真。君に歌う、桜舞う世界で星4こはねサイスト)を見て懐かしさが胸に込み上げる彰人。
承:写真に写る彰人たちの距離はまだぎこちない→チームを組んだばかりで、まだこはねたちとどう接していいか図りかねていた。それは彰人だけではなく冬弥も杏も同じだったと思う。
あれからもう二年が経つ。二年の間にキャンプへ行ったり、海に行ったり。思い出を積み重ねて仲は大分深まった。
『……何よりも。ちらり、と横目でテーブルに広げたアルバムを前にうんうんと唸るこはねを横目で盗み見る。』
転:彰人の視線に気付いて首を傾げるこはね→「なんでもねえよ」誤魔化す彰人。心の中でまさか、こはねにこんな感情を抱くなんて。あの頃の自分は思いもしなかっただろう。
『そう? と疑うことなくアルバムへと視線を戻したこはねにほっと安堵する。こはねの前に座って麦茶を一気に流し込んだ。こはねの部屋はどこにいてもいい匂いがして落ち着かない。……好きなヤツの部屋にいて、平然と過ごせる高校生男子なんてこの世に何人も存在していないだろう。
こはねのことが、好きだ。いつから、なんて分からない。気が付いた時には確実に想いは芽吹いていて。あの写真に写っているときには、こんな感情をこはねに向けるときが来るなんて思ってもいなかった』
結:こはねに想いを伝える気はない。
こはねは彰人のことを"チームメイト"以上の気持ちで見ることはないだろう。→こうしてほいほいと部屋に入れるのも、オレを男として見ていないからだ。
オレじゃなく、冬弥だったとしても。こはねは警戒することなくこうして簡単に部屋に招き入れるだろう。→自分で想像してもやもやとする彰人。
(フライヤーを作るためにこはねの家に訪ねてきたという説明を入れる。→こはねの家に来たのは初めてじゃなく、何回も)
《承》こはね不在時にカメラを弄る彰人→彰人の写真ばかり
起:彰人のグラスに注がれていた麦茶がなくなる→こはね「入れて来るね」彰人「別にいい」→聞かないこはね。「まだ現像していない写真もあるから、そこにあるカメラを見て待ってて」
承:部屋を出て行ったこはねに溜息を吐く彰人。言われた通りカメラに手を伸ばす。
転:何枚か遡ると、急に自分の映る写真ばかりになって驚く彰人。冬弥や杏の写真も混じりはするものの、明らかに彰人ばかり。
結:廊下からバタバタと慌てるような足音。開かれる扉。手ぶらのこはねの顔がカメラを見る彰人を前に青ざめる。
《転》慌てて部屋に戻って来たこはね「……み、見ちゃった、よね……?」
起:「み、見ちゃった、よね……?」今にも泣きそうな声で言うこはね。こはねの言葉に、彰人の心臓が騒ぎ始める。
承:『見ちゃった、ってのはやっぱりオレの写真のことを言っているんだろうか。別に、写真を撮られるくらい謝られるようなことじゃない。じゃあ、なんで。こはねはこんなにも謝るんだ。……心の奥で、勘違いしそうになる自分がいる。やめろ。自惚れるな』
転:続く沈黙。「フライヤー用に撮ってたんだろ? 別に写真くらいどんだけ撮られても怒ったりしねえよ」となんとか口にする彰人。そんな彰人に対して、こはねがもじもじと俯く。徐々に赤く染まっていくこはねと共に、彰人の心臓も高鳴っていく。
結:「……そう、じゃないの。それはフライヤー用に撮ったんじゃなくて」
こはねが顔を上げてまっすぐ彰人を見る。
《結》無事両思いだと分かる。ハピエン!
起:「それって、」「わ、私ね……っ」こはねの言葉を「ちょ、ちょっと待て」遮る彰人。こはねが自分と同じ気持ちを抱いていると半ば確信する。緩みそうになる口元を手で隠して「先にオレから言わせてくれ」
承:唐突な彰人の言葉に目を瞬かせるこはね。「あー……」と言葉を詰まらせた後、真剣な顔でこはねを見る。
転:告白する
結:へにゃへにゃとその場に座り込むこはね。驚く彰人に「ご、ごめんね、驚いちゃって……」
手を差し出した彰人の手をじっと見たあと、こはねが「……私も、東雲くんのことが好きです」
なんかいい感じのモノローグつけておしまい!