森の地理調査も大詰めになり、集落を見つける。ここは魔物と意思疎通している不思議な村だった。言葉は通じなくとも、良き隣人として生活しているようだった。
村長から「うちはこの通り上手くやっている。他所の者にこの生活を壊されては困る。悪いが地図に書かないこと、王都にも報告しないことを条件にして生きて返す。お前たちが信頼できる者かどうか見極めさせてもらうために、しばらくの間は軟禁生活だ」
「信頼出来ないと判断された場合には?」
「話し合いの上、死んでもらうか永住してもらう」
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しょうもないチームなので
「むしろこれはバカンスなのでは?!森林浴で健康になろうぜ!」というスタンスで軟禁を受け入れる
イオ「積読消化できて助かります」
ユピテル「ゆっくり出来るなァ〜暑さ寒さもちょうどいいし食事も出るし屋根もある、仕事もないし最高だな」
ガニメデ「おいカリスト、時計の勉強しようぜ」
カリスト「食べられる?」「食べる時間が分かるようになる」
村長「こんな奴ら初めてだな…」魔物くん「ウンウン」
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住民魔物が発狂して人を襲った。ガニメデたちは部屋に閉じ込められきりだったので、疑われるようなことはなかった。聞き取りされるがさっぱりわからないと一同答える。
住民魔物はガニメデの邪神に呼応して凶暴化していた。日に日に被害が増える。村の力になれるかもしれない、この状況をどうにかしたいとユピテルが打診。監視付きで受け入れてもらえる。
ガニメデの武具を調達するために鍛冶屋を訪れる。アドラステアと出会う。「余所者ってあんたらのことか。売るもんなんか無えけど?」「村長からの協力は得ている、頼むが売ってもらいたい」「ハイハイ、どうぞご勝手に」などとイキるアドラステア。ガニメデが斧を取ると、その作りの良さに感動して目の色を変えた。
「あんた1人で作ってるのか?」「そうだけど?」
「スゲエなこれ…、このクオリティでこれだけ作れるのか…」「な、なんだよあんた。気色悪いな」「こんな腕のいい職人見たことねえや。一通りくれ。金ならあるから」「え、ええ……」
ガニメデが外に出たことによって団体が凶暴化。暴れ出したところをガニメデらが押さえるも、次から次へと被害が大きくなる。住人たちは家族だった魔物たちが牙を向いたことにショックを隠せない。ユピテルが指揮を執り、村長を筆頭に住民の避難をさせる。奧屋の入り口にはイオを立たせて治療と避難所の警護をさせた。ユピテルは逃げ遅れた人の救助。ガニメデとカリストはいつも通りの殲滅作戦を実行する。
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アドラステアが子供らを守っていたが、追い詰められてしまう。ガニメデが助け出す。ユピテルに引き継いで子供達を逃す。
ガニメデ「おい、お前。店にあったもん全部持ってこい」「は?」
「それで俺の後ろについてくれ。声かけたらそれらを投げて寄越して。安全な場所からでいい。俺がお前の武器使って、この窮地を脱してやる」
ガニメデの言う通りに持てるだけの武器を抱えた。ガニメデは魔物を躊躇なくぶった斬りながらダメになった武器を捨てては「同じもん!なければ斧!」と催促する。アドラステアは言われた通りにガニメデの近くへ放り投げる。それを受け取ると得意げな顔をしてガニメデは笑った。
「ガニメデこれ、こっち」とカリストが家具をひっくり返している。住民が隠れていたのを見つけたらしく、ズルズルと引きずって来る。殲滅と救助を繰り返し、返り血まみれのガニメデとカリストを呆然と見るアドラステア。
「あんたら……」「どうして地理調査隊なんて嘘ついたのかって?」「あ、ああ」「嘘じゃないよ、本当に地図を書きに来ただけ。こっちは俺たちの趣味」
カリストがニコニコとしてガニメデと肩を組む。
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村の復興のため、村長や住民らは王都への連絡を許可する。医師や職人が派遣される運びとなった。4人は村に留まり、復興作業を手伝うことにした。瓦礫の処分や、炊き出しの世話をしたりした。
ガニメデはゴミを抱えながらアドラステアに話しかける。
「なあ、お前、村を出る気はないか?」「どういう意味だ?」「俺のために武具を作ってほしいんだ。お前みたいな職人は2度と会えねえ、これからもお前の作った剣や弓を握りたいんだよ」「買い被りすぎだよ」「そんなことねえって、本当に戦いやすいんだ。もちろん金なら出すし、途中で嫌になったらこの村に帰っていい。軍の鍛冶場も借用証明とるよ、保管庫だってなんだって用意するから。な!頼むよ」「どうしてそこまで」
「生き甲斐だから」
カリストが壊れた時計を持ってきて「ご飯だよねえ?!」と聞いてきた。ガニメデは「それ壊れてるから違うよ」と答えた。