暖房壊れた棺桶に詰まるにっぴき「夜半から明け方にかけて急な冷え込みに注意? いくら気温操作下手な令和ちゃんとはいえ暑さで死んだ同じ日に寒さで死ぬ程ではさっっっっっむスナァ」
「まずいぞ10秒ごとに死ぬわ暖房暖房………………、ねえジョンこれあったかい風出てる? 出てないよねえ!!」
「至急なにか暖が取れるもの!! 迫る朝にもころされる絶体絶命、頭を回せシナプスを焦がせ……、QS4とかどうだろう」
「ヌヌヌッヌヌヌーヌヌーヌイヌ(デメリットの方が大きいヌ)」
「ですよね」
「急げ急げ考えろ、ほどほどの温かさで角ばってなく、棺桶に入る大きさ……ロナルド君!!!!」
「全条件を満たす手頃な暖はもはや若造しかいないと思うのだが、さしものドラちゃんも疲れて眠るゴリラを叩き起こすのには若干の気後れが……、ええい、私とジョンの平穏の為だ、必要な犠牲! ロナルド君の体温は私の提供した食事より得たカロリーから生み出されているのだし! というわけでロナルド君、ロナルド君」
「んぇ……なに……」
「君、私の棺桶気に入ってるでしょ。今なら入って寝ていいよ」
「ヌ!?」
「かんおけぇ? ん〜〜今はいーわ……ぐぅ……」
「そんなこと言わずに! プラネタリウムにドラちゃん生音声案内まで付くぞ! くそっさすが戦士族、寝入りが早い……ジョン?」
「ヌヌヌヌヌン、ヌンヌヌヌヌヌヌヌヌヌヌイヌ……」
「さみーの……?」
「ヌン」
「さいしょから言えばいーじゃんな……、ん、ジョン、一緒はいろ……。おら、いくぞくそすな……」
「えっ、はい……」
「……悪かったな、起こして」
「べつにいーよ。ジョンが寒くて眠れなかったらかわいそーじゃん……」
「そうだよねえ」
「それに……ぐぅ」
「そこで寝る? まあ、助かったしな、おやすみロナルド君」
(最悪ジョンだけでも眠ることができればいいと思っての行動だったが、普通に私も眠れそうだな。これだけ近くに人間の、他人の体温があって安心するのが正直解せ……るわ)
(ロナルド君もロナルド君でぐっすり眠っているみたいだけど、吸血鬼退治人がこの状況で寝入っていいものかね)
(私の雑魚さに油断してとかだったら腹が立つが、君も私と同じように……ぐぅ)