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    calmdestorm2

    @calmdestorm2

    二次創作ファンアート置き場 ↑20
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    メインジャンル:フーファン・ダメプリ・94・ロマサガ
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    【ロマサガ2R】
    突然閃いた、ソウルスティールの見切りを覚えたままで封印の地までタイムループしたジェラールの話(箇所書き)

    何で戻ったのかって?知らん

    #ロマサガ2R
    #リベサガ
    #ジェラール
    gelard

    アバロンの皇帝となった後、長い人生のうちに様々な偉業を成し遂げたジェラール。
    いよいよ最期の時を迎え、次の者へ伝承法を用い力を託し、旅立つ為に光の階段を登っていった……はずだった。

    ジェラールの意識が覚醒すると、そこは見覚えのある洞窟内。
    状況を把握する前に迫り来る殺気、咄嗟に手に持つ小剣で喉元を突き敵を倒す。
    その衝撃に、肌に感じる空気に、既にいないはずの父の声に、ここは過去の世界なのかと困惑する。
    だが戸惑っている間を待ってくれる程、モンスターは優しくない。
    考えるのは後だと、ジェラールは目先の戦いに集中する。
    当時の彼であれば苦戦したであろうが、アバロンの皇帝となり数多くの経験を重ねた後のジェラールにはさしたる驚異とはならず、襲いかかってくる敵へ冷静に対処し戦い抜く。
    つい先程まで戦いのド素人丸出しの動きであったのに、突然歴戦の戦士の様に動きの変わったジェラール。
    レオンと臣下達は多少困惑するも、そのままモンスターの撃破を続ける。
    敵陣一掃を終え、封印を施しその地を後にする一行。
    いつの間にそんなに強くなったのかと臣下達に問われ、はぐらかしながら前を歩くレオンの背中を見るジェラール。
    父が生きている、その事実に胸が熱くなる。
    ジェラールはこの気持ちがバレないように努めたが、少し顔に出ていたらしくどうかしましたか?と臣下に尋ねれるのだった。

    そのまま帝都アバロンへ凱旋。
    宮殿内、謁見の間にて。
    彼らの留守を護っていたヴィクトールが二人を出迎える。
    在りし日の兄の姿を見てジェラールはさすがに涙腺が緩みそうになるが、なんとか堪えきった。
    (この様子を、周囲は緊張の糸が切れたのかと思っている)

    そして、オアイーブの来訪。
    下がる様に言われ、謁見の間を後にする兄弟。
    兄との久しぶりの対話を終え一人となり、ジェラールは今までの出来事を整理する。
    何故かわからないが、自身は死後に時を遡り過去の時代へと戻った。
    理由は無いのかもしれない。だが、成すべき事があり戻されたのかもしれない。
    現時点では何もわからない。
    本当なら原因を突き止めるべきなのだろうが、もうすぐ起こる悪夢の様な出来事への対策を練る方が先だと、ジェラールは思考を切り替えた。

    この後、父と自分がウォッチマンの討伐に行っている時を狙ったのか、クジンシーはアバロンを襲撃する。
    その時、奴の必殺技であるソウルスティールによって兄は命を落とす事となる。
    ソウルスティールは命を刈り取る技。
    誰も逃れる事は出来ない……本来ならば。
    もしその技を使う瞬間に、ソウルスティールの見切り方を知る自分がいれば?
    タイムループをし過去に戻りはしたが、あの時の父から受け継いだ見切り方は本能が覚えている。

    本当なら先手を打ち、アバロンに攻め込まれる前にクジンシーの元へ向かい倒す事が出来れば良いのだが、それは不可能である。
    おそらくクジンシーは、既にソーモンを支配している。
    その情報をレオンに進言しようとも、まだこの時の七英雄は敵とも味方ともわからない状態。
    驚異とは思われるだろうが、こちらから攻めず様子見となる可能性が高い。
    そもそも、何処から情報を手に入れたと聞かれれば、どう答えれば良いのか。
    ならば単独でと考えるが、あまりに無謀だとジェラールは眉間にしわを寄せる。
    先程の封印の地での戦いで今の自身の実力を鑑みて、戦えない事はないと判断した。
    だが余力を残したままクジンシーの元へ辿り着き、なおかつ一人で戦い勝利出来るのかと問われれば、厳しいとしか言えない。
    負ければ、それを口実に帝国へ攻めいられるだろう。それだけは、あってはいけない。

    兄とクジンシーを鉢合わせたくない。
    だが先手を打つ事は出来ない。
    ならば……

    考えをまとめたジェラールの元へ臣下が来る。
    レオンから謁見の間へ来るようにと伝言を受け取り、覚悟を決めたジェラールは父達の元へ。

    レオンとオアイーブの話は終わっており、父の近くにはヴィクトールの姿が。
    以前と同じように、ウォッチマンの巣を討伐する話が始まる。
    ジェラールは、戦闘経験不足を理由にウォッチマンの巣へ向かう事を拒否し、確実に仕留められるよう兄と共に制圧に行く事を進言する。
    当然お兄ちゃん驚くし大反対。
    戦いの場に行かせたくないのは本音だが、ジェラール自ら辞退するとは思わなかったし、何より父も兄もいない帝国を戦闘経験がほぼない弟に宮殿を任せるなど、心配で心配でとてもではないが出来ない。
    父も臣下も補佐をする、問題ないはずだとヴィクトールに説得されるも、軟弱者の謗(そし)りを受ける覚悟でジェラールは首を横に振り応じなかった。
    父上も説き伏せてくるだろうか……とジェラールは不安になるが、先程の封印の地での彼の戦いを見ていたレオンは何か思うことがあったらしい。
    わかったとジェラールの意思を尊重し、代わりにヴィクトールに共に来るよう伝える。
    ヴィクトールはまだ何か言いたげであったが、父の意思の強さと弟の頑固さを知っているため諦め、ジェラールにアバロンを任せレオン、臣下と共にウォッチマンの巣へ。
    彼らを見送った後、ジェラールは訓練場へ。
    小剣ではなく剣を握っていてもおかしいと思われないよう、その時が来るまで武器を手に鍛練を始める。
    (レオンの力を継承していたので、今のジェラールは小剣より剣の方が扱いに長けていた)
    陛下と共にモンスター退治に向かった事で火がついたのだろうとか、戦闘経験の無さに嫌になったのだろうかとか、一部の臣下には怖くなって取ってつけた理由で拒んだのだろうと陰口を叩かれたりするが、ジェラールは一切気にしなかった。
    その様子を見ていたフリーファイターの二人は、長い傭兵生活の中で培(つちか)ってきた経験により違和感に気づいていた。
    今のジェラール様は、昨日までの彼とは何かが違うと。

    そして、クジンシーは襲撃してきた。

    ジェラールは逸(はや)る気持ちを落ち着かせながら兵に的確な指示を出し、住民の避難と侵略者達の討伐を行う。
    やがて街の中心にて、対峙するジェラールとクジンシー。
    クジンシーはジェラールの風貌に大した相手ではないと高を括(くく)り、最初は適当に相手をする。
    あえて鎧をまとわず普段の姿を見せ油断を誘ったジェラール、クジンシーが本気を出してくる前に仕留めようと懸命に戦う。
    だがその奮闘も空しく、ダメージは与えられるもののトドメには至らない。
    刃を交わすうちに彼の実力を見誤っていた事に気づいたクジンシーは真剣になり、距離を取りソウルスティールを発動。
    今だ!!と見切るジェラール。
    まさか避けられるとは思っておらず、驚くクジンシー。
    その隙を狙いジェラールは剣を振り下ろし……

    弾かれてしまった。

    一撃必殺の死の技を避ければ必ず動揺し隙を見せ、そこを狙えば倒せる。
    と、ジェラール自身もまた相手を無意識のうちに甘く見ていたのだ。
    いくらジェラールがアバロンの元皇帝でモンスターとの戦いをしてきた前世の記憶があろうと、たかが数十年しか戦に身を置いていない存在。
    永き時の間を、様々な次元を渡り歩き戦い続けてきたクジンシーの戦闘経験には到底及ばなかった。

    そのままクジンシーの刃がジェラールに向かう。
    もうダメだ、と思った瞬間。
    突然見覚えのある閃光が周囲を照らしクジンシーに襲いかかる。
    眩い光の中から見知った、懐かしい姿がジェラールの瞳に写る。
    兄だ。そう気づいた時には、ヴィクトールの流し斬りがクジンシーに完全に入っていた。
    激痛に苦悶の表情を浮かべ、兄弟から距離を取るクジンシー。
    その間に、ウォッチマンの巣から帰還したレオン一行が戦闘体制を取る。
    こちらが不利と判断したクジンシーは、モンスターに退却の指示を出しソーモンへと引き下がっていった。

    ヴィクトールに、レオンに、そして家臣達がジェラールの元へ集まる。
    状況やら安否やらを次々と尋ねられるが、ジェラールの耳には届かない。

    クジンシーが去った今、父と兄が生きて目の前にいる。
    あの時と違う人生が始まった。
    それを理解し、実感し、だが心と思考が追いつかず、体力も消耗していたジェラール。
    完全疲労困憊(こんぱい)状態となり兄の胸に倒れ込み意識を手放した。
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