パバステ現地1st無配「……んぐッ!?げふっ」
アスランの喉仏が不規則に上下すると、ごくりと音を立てた。
一日の仕事を終え、夕餉もふたりでゆっくりと取り、その後のまったりとした時間を過ごしていた時だった。
満たされた胃に、神谷の淹れた紅茶を飲みながらの穏やかな刻。ソファで隣り合ってぼんやりとテレビに視線を流す。触れ合う肩が心地よく、液晶の映像は瞳に映るのみで、たいして記憶に残らない。バラエティー番組の賑やかな声は、耳を右から左にすり抜けていくようだった。
番組がCMに入り、見慣れた映像がいくつか流れた後だった。
隣に座っている男の顔がモニターに映し出される。
海沿いの穏やかな街。白を基調とした美しい建築物を背に着飾った美丈夫。
1810