気づけば既に赤満ちる。俺は美人が好きだ。
とかく品があって家庭的で包容力もあって思わず守ってやりたくなる儚さもあって強いて言えば胸の大きな女であれば確実にストライクバッターアウト間違いナシ。
とこのつまり別れた女房はまさに理想だったわけで…。
ささやかな幸せ溢れた1LDKは今となっては1人虚しい男やもめである。俺の不甲斐なさが招いた罰のような光景にはため息も売り尽くした。
この事で落ち込んでいると大概"別の出会いがある"と慰められたりはするのだが、今は女を作る気はない。
元女房…美智子が良い女すぎて忘れられないというのもあるが、渡世に生きる人間にとって"一般的な幸せ"と言うのがどれほどのハードルの高さか厭でも思い知らされたからだ。
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