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    ingenmamesa

    @ingenmamesa

    夏五

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    夏五。17×28
    キャバクラホールスタッフ・傑と店の客・悟
    多分転生if こういう夜の世界に全然詳しくないので、雰囲気が無い……

    最終的には夏五になります。夏五です。

    「すぐるくーん、ご指名だよ」
     店長の呼ぶ声に軽い頭痛を覚えて、額に指を押し当てる。
    「店長、何度も言いましたけど、私はこの店にホールスタッフとして雇われたはずですが?」
    「まあまあ、そう言わずに。太客だからさー、ね、その分の手当てはちゃんと出すから」
     深くため息をつき、指定された席に向かう。
    「あ、すぐるくーん! おっそーい!」
     顎に両手の握り拳を当てて、上目遣い。かわい子ぶった仕草で見上げてくるこの男、五条悟。
     初めて見た時、こんな場末のキャバクラに似つかわしくない、その美しい姿に目を奪われた。
     紫がかった白髪、不思議な虹彩の青い瞳、嘘みたいに整った顔、彫刻のように均整のとれた長身、モデルや芸能人というより、別の世界の生き物のような美貌だった。
     女性キャストに挟まれて座る彼は柔らかな笑みを浮かべていて、冷たく見えかねない端正すぎる顔が柔和な雰囲気を纏って、どこか愛らしさまで感じさせる。
     一瞬見惚れた。
     青い瞳が私を見上げて、そして

    「はいはい、早く座って、座って」
     何故か今、こんな事になっている。
     キャスト達は客が取られているというのに、何が楽しいのかニコニコして手を振って去っていく。
    「今日も労働お疲れサマンサ〜フルーツでも食べなよ、ほら」
     差し出されたメロンの切れ端に目眩がする。
    「五条さん」
    「えー悟って呼んで」
    「……悟さん、あのですね、店長から言うなって言われてたんですけど、もう言います」
    「なあにい?」
    「男性の接客を希望してるなら、それが専門の店があります。そちらに行ってください」
    「そういうんじゃないよ、僕はホストじゃなくて君に会いたくて来てるんだよ」
    「なんで」
    「だってそりゃあ」

    「未成年がこんなところにいたら、気になっちゃうでしょ」
    「!」

    「やだなあ、そんなに若く見えます?」
    「見えなーい!ハタチ過ぎに充分見えるよ。でも、僕には解っちゃうんだあ!」
    「……」
    「君はねえ、大人になったら、もっとかっこよく色っぽくなるよ、ちょっと胡散臭いけど」
     彼の目は確信に満ちていて、シラを切るのは不可能だと悟った。
    「……店は知らないんで、余計なこと言わないでください」
    「なんで、ここで働いてるの?」
    「夜の仕事の方が給料がいいからに決まってるだろ」
    「わあ、仏頂面!いいね、作り笑いより断然良い」
    「今日限りここは辞めます、それでいいですか?」
    「そしてまた別の店探すの?」
    「……っ!アンタに関係ないだろ」
    「じゃあチクッちゃおっかなー」
     目の前に差し出されたのは私の学生証、のカラーコピーだ。
    「興信所でも使えば、学校くらいすぐ見つかるよ」
    「脅し?アンタ、何が目的なんだ!?」
    「いや、こんなとこで働かなくてもさ」

    「僕と遊んでくれたら、お金あげるよ」



     
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