夜叉の舞
清談会。
それは、五十年に一度行われる仙人達の大宴会である。
その名は、かつて仙人が集い世俗を離れた清らかで高尚な道理や道徳について談話したことに由来し、長い年月の経た今では璃月の全ての仙人仙家が一同に会する盛大な宴の場となっていた。
北は沈玉から南は青墟浦まで、仙と名のつくものなら誰もが参加する権利を持つ大々的な宴である。
主催は名のある仙人達が順番にすることになっており、今回清談会の主催者となったのは奥蔵山の主、留雲借風真君だ。
そして彼女は今とある問題に頭を悩ませていた。
「ふむ…」
奥蔵山の池のほとり。
「「うーむ…」」
理水、削月の二人も同じく石卓につき頭を抱えている。
「……」
少し離れた木の傍には魈も寄りかかっている。皆、留雲に半ば無理矢理呼び出された形だ。
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