君に奏でる愛の音 今日はなんだかやたらと周囲がソワソワしてるな、と明浦路司は思った。
(…何かあったっけ?)
思い返してみるも、特に何のイベントもない、シーズン入り間近の普通の平日としか言いようがなかった。
けれどもこうしてリンクにいつも通り出勤してみると、なんだか周囲の空気がふわふわ、ソワソワしているのだ。何が、と聞かれると言葉にしにくいが――とにかく何かが起こっているのはわかる。
瞳さんは出勤してきた司に「あらおはよう司くん!今日も天気が良いわね!」と言ってきたが、あいにく今日は曇りだ。洸平くんは普通だったが、なんだかバタバタして忙しそうだ。
「……?」
何かあったか聞きたいが、なんとなく聞きにくくてそうして今に至っている。
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