欠けた月 ふっと目が覚めて、真っ暗な部屋の中で視線を巡らせる。カーテンの隙間から陽射しが差し込んでいるなんてこともなく、手繰り寄せた携帯端末の画面に表示されている時刻は早朝どころか深夜といっていい。サイレントモードにしているから通知音で起こされたということはないし、こんな時間帯であるから部屋だってシンと静まり返っていた。起きるにはまだあまりにも早すぎる時刻。だから、本当にただ、目が覚めてしまったのだと思う。
何かを察して起きてしまったとか、なんて。そんなことを思いながら気まぐれに届いている通知を確認すると、暗闇に慣れてきた目はすぐさま彼の名前を見つけ出した。
「サニー…?」
どうしたのだろう、僕が眠っている時間帯に連絡してくるなんて珍しい。そして、メッセージを開いて目に入った言葉に、再び首を傾げることになる。
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