密かに膨らむ支配欲 いつからか、阿久津のことを手元に置いておきたい気持ちが強くなった。ずっと前から一緒に居るのに、今は余計にその気持ちが強い。
こんなつもり微塵もなかったはずなのに、ただ真っ先に自分の願いを必ず叶えてくれる存在であるだけなのに。
「ぁーあ、らしくないよな〜」
「ん、何か言ったか??」
「いや、別に。阿久津、ティッシュ」
「へーへー、床に捨てんなよ?」
すぐそばにあるテーブルに置かれたティッシュBOXでさえも、阿久津はすぐに取って持ってきてくれる。ゴミ箱も一緒に持ってきてくれて、それも足元に置いてもらった。
何だか犬のような感じに思えてきて、鼻をかんでから笑ってしまった。
「何笑ってんだよ、相馬」
「んーん、何でも無い」
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