後の祭りあらすじ
人修羅にあれこれ雑用させる鳴海に、ライドウが釘をさす話。
饒舌な時はだいたい悪巧みや悪戯をしている十四代目。
─────
「人修羅ちゃん、コーヒー淹れてー」
「いいですよ」
「人修羅ちゃん、これも捨てといてー」
「分かりました」
「人修羅ちゃん───」
「鳴海さん」
人修羅が買い物に出掛けた数分後、読んでいた本を閉じたライドウがため息混じりに鳴海の名を呼んだ。
「どうした?」
「最近、人修羅に雑用させ過ぎじゃないですか?」
「えー、そうかな?」
所長机の椅子に腰掛けて寛いでいた鳴海が、とぼけた表情で返してくる。
しかし改めて思い返すと、去年までライドウの名を呼んでは珈琲やら買い物やらを頼んでいたそれが、何時の間にか人修羅に置き換わっていたのだ。
1959