ビー玉と真葛2 以前からこのアパートには犬がいる。凛月が拾い俺がレオンと名付けられたコーギーは賢く、勇敢で俺にもすぐ懐いた。朝になると2人のどちらかを起こして散歩を急かし、学校に行っている間はお利口に待っている。ご飯の時間になると少しソワソワするし、一緒に遊ぶととても楽しそうに笑う。
凛月は何でもかんでも拾いたがる。綺麗な石を道端で拾ったり、海辺の砂を瓶に詰めたり、挙句食べれるかわからない雑草を天ぷらにしてみたり。何でもかんでも持ってきて俺に検分をさせるのだ。そのおかげで雑多に物が増えたアパートの共用部分はもうほとんど何も置けないでいる。
「あぁ…リッチー、お前な」
「コーギーおはよ、なんか落ちてたの」
ズルズル、とひきづりながら共用部分の扉を開けた。その体からは想像できないほどに軽々とそれを持ち上げると、自分の部屋のベットに投げ入れた。
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