あなたに捧げる向日葵(えがお)をこの手に季節は夏。オレ天馬司は今日から夏休みという最高の日常を謳歌しようと、色々計画を立てていた。というのも開いているのはスケジュール帳ではなく、自身が撮ってきた写真の数々だ
オレは昔から父の影響で、写真を撮るのが大好きだった
父は写真家で、よく仕事やプライベートで写真を撮ってきては、オレや妹に見せてくれた。一緒に撮りに行った日もあった。オレはそんな父が大好きで、いつもその背中を追いかけていた
だがそんな父は、志半ばで病に倒れ、この世を去った。その日からだった。オレはよく遠くに行って、写真を撮り続けた。父のような綺麗な写真はまだ撮れないけど、それでもオレは写真を撮った。いつか天国にいる父に見せられるような最高の写真が撮りたくて、休みの日に、宿題が終わったその後に、色々な景色をカメラに収めた
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