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    8u_877

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    8u_877

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    かめそな。

    報告 報告、いじめ、嫌がらせ。報告、いじめ、嫌がらせ。報告、いじめ……。
    「シェーブル?」
     さっきまでのびのびとヴァイオリンを弾いていたはずのソナタは、いつの間にか目の前にいて、俺の持っているスマートフォンを覗き込もうとしていた。さっと画面を伏せて、見せまいとする。
    「なにしてんだよ」
    「別に。ネットサーフィン」
     まったくもって嘘なんかじゃない。ソナタはヴァイオリンを持ったまま俺の隣に腰を下ろし、まだ画面を見ようとする。
    「俺のアカウントだった」
    「俺が動かしてんだよ、勝手にさせろよ」
     ソナタはそのまま俺の方に迫るから、壁に預けていた背を動かして少し床にもたれる。
     嫌な輩は、分母が多くなればわけもなく湧いてくる。ソナタがどのくらいの頻度でこのアカウントを見ているのか定かじゃないし多分そんなに見ていないだろうが、もしも見たときにそんな心ないコメントに刺されてしまったらどうなるだろうか。どうしようもなく暇なときに、ひとつずつ報告している。まあ、もぐら叩きみたいなものだから、効果には期待していない。
     優しさとかじゃない。彼のナイーブなところを知っているから、その面倒臭さも身に染みているから、なるたけ避けたいだけ。つまりは俺のエゴ。
     ソナタはまだ俺のスマートフォンの背面を凝視しているから、カメラを起動してシャッター音を鳴らしてみる。
    「わ、勝手に撮るなよ。俺の写真は高くつくからな」
     ぱちりと音を立てながら瞬きをするソナタ。
    「知らねぇよ」
     練習室の照明の影になるソナタは、それでも顔が良かった。だからもう一枚だけ撮った。彼は呆れ顔をして立ち上がる。
    「それあとで確認させろ」
    「あいよ」
     また黄色いヴァイオリンは歌い出す。俺は作業を再開した。
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    8u_877

    DOODLE終わらんから一旦出す!!!!!!!
    ショウの話!!!!!!
     目覚めて、いろいろなことが脳内を駆け巡る。そうでなくても脱水症状で割れそうな頭に追い討ちをかけるのは、覚えている限り最新の記憶。
    「信じるなっつったろ、馬鹿」
     彼は、白波の立つ恐ろしげな海に私を投げ捨てるとき、これまでにないほどの嘲笑を見せた。常々、彼には勝てないと感じていた。私は、瞬く間に手足を縛られたことにすら抵抗できず、ただされるがままだった。気取られぬ技術もそうだろう。しかしやはり心理的に、彼には裏切られぬという慢心、自らの落ち度だ。
     自らの落ち度、はじめて彼に会ったときにもそうだった。

    「暗い顔してんなあ、若いの」
     もう十五年近く前になるだろうか。ルルビナへの留学は、あまりたのしいものではなかった。当然、終戦記念の文化交流使節、パジ国の代表として行くのだから、すべてがたのしいはずがない。しかしあの扱いはどうかと、当時は、彼と出会うまではそう思っていた。毎夜とまではいかずとも度々開かれる交流を目的とした宴会では、私は事実上客であるにもかかわらず、酌のように要人に酒を注ぎただ笑うだけで、談笑にすら入れてもらえないことを悔しく思っていた。当時、私はものを学びたかった。パジの使節と、ルルビナの政治家、軍人、資本家など権力を持った者が一挙に集まる宴会で、笑うだけの物言わぬ召使いに徹するのは明らかに時間の無駄、そのときはひたすらにそう思われた。私は、私がそこに居る意味が欲しかった。
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    DOODLE⚠本誌ネタバレ
    ・📱の一人称
    ・📱たちに関する捏造

    📱も📵も感情が実装されてるのにイノセントで無垢な感じがする
    わたしは2機に夢を見ています
    あなたの約束にはならない リハビリも兼ねた、難易度の低い任務でした。クロノさんは53回目で[[rb:攻略未来 > クリアルート]]を見出し、運転手を含むすべての人質をバスから降ろすことに成功したのです。最初はトンチキな動きをするものの、試行錯誤して誰一人傷付かない未来を掴み取る強さがクロノさんにはありました。記録に合致する、いつも通りのクロノさんです。

     2074年の自動操縦バスが犯人とクロノさんだけを乗せてハイウェイをまっすぐにひた走っていました。さほど距離のない通路の端と端で睨み合っているのは、相手が拳銃を持っているからです。犯人に武術の心得はなく、今の状況だけなら、前にクロノさんが攻略したコンビニ強盗事件の方がよほど危険な状態だったと言えます。[[rb:照準 > サイト]]の合わせもふらふら、バスで揺れて姿勢も安定しません。クロノさんもそれを察しているようで、カーブに差し掛かった時に飛びかかろうとしているのでしょう。弾丸がクロノさんの急所へ命中する確率は、それこそ100万分の1以下……ぼくはそう判断していました。
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