1昼下がりの坂本商店。
葵と花は買い物へ、ルーは安定の遅刻。そして店主は配達へと出掛けて行ったので、残されたシンはひとりで店番中である。
店内に客の姿は見えないのでモップで床掃除をしていると、扉が開く気配がした。
「いらっしゃーせ…」
接客言葉と共に振り返って来店した者を確認した途端にシンは「うわ、」という言葉を飲み込む。そこには笑顔で手を振る見知った顔。南雲の姿があった。
「やっほ〜、遊びに来たよ〜〜」
「どーぞお帰りくださーい、出口は後ろでース」
「わ〜熱烈歓迎〜」
「いやどこがだよ!?帰れ!」
─こいつは苦手だ。
心が読めない。何を考えているかわからない。未遂とは言え確実に一度は殺されている。以上の理由からシンは南雲という存在を警戒対象に認定している。
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