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    Turtle_zeeta

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    Turtle_zeeta

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    ワードパレットその①
    リクエストありがとうございました!{}の中身は蛇足というか脳内開示というかまあそういうやつなので、読まなくてもいいです

    リクエスト大感謝 Thank you Vielen Dank 謝謝 23.[雪の女王](鏡・雪・スノードロップ)/イゴリー・ニコル
    支給された薔薇の剣を握り、なぜか雪の降る収容室の扉を開ける。中にはHEランクのアブノーマリティ[雪の女王]と、氷漬けにされた同僚が一人。職員イゴリーは管理人の指示を受け、愛着作業をしに来た…はずだった。
    「…なんだこれ」
    管理人の支持は確かに愛着作業だったはずだ。それに、自分の知る限り雪の女王は好戦的な方ではない。それがどうだ?目の前の怪物は大きな剣を構え、普段のそれとはまるで違う威圧感を放っている。ふと、イゴリーは思い出した。管理人の「ニコルを頼んだよ」という言葉。それに何やら「決闘」とかいう単語も混ざって言うたような気がする。
    「…そういうことかよ」
    イゴリーは思い出した。雪の女王には特殊な「決闘」と呼ばれる作業があるということを。雪の女王にその勇気を示し、とらわれた職員を救出することで、その証としてギフトがもらえるということを。そういえば最近先輩夫婦がなんかつけてたな…。つまり自分が呼ばれたのはそういうことなんだろう。要はこの怪物に自分の勇気を示して彼女を救わなければならないということだ。こういうのはオノリオのほうが向いてるだろうに何で俺が、という言葉は白い息となって消えた。
    「ったく、なんでテメェがそっち側なんだか。俺らよりもアブノマについてはよく理解してるはずだろうがよ」
    兎にも角にも、今はこの情けない顔で凍った同僚を助けるのが最優先だ。

    …決闘は無事に終了した。吹雪の吹きすさぶ収容室から立ち去った二人の頬には、その証たる氷が張り付いていた。ちらりとニコルのほうに目をやれば、何事もなかったかのように歩いている。いつも通りの姿にほっとするような、心が温まるように感じた。
    「…あの」
    「あ?」
    「いえ、その。先ほどは助けていただきありがとうございました」
    普段の突飛なことを言ったり、正論をかます姿とは打って変わって素直に礼を言う姿に思わず驚く。わずかに微笑む口元から目をそらすように視線をあげれば、真っ暗な中にスノードロップのように白く輝く瞳と目が合った。
    「別に。次は俺は行かねえからな」
    そういってイゴリーは足早にコントロールチームへと戻っていく。鏡なんてしばらくは見たくもなかった。”お揃い”であること、そして何より氷をも溶かすほどの熱が集まっていることを、嫌でも実感してしまうから。

    {雪の女王でしかも相手に何らかの感情持ち(恋愛まではいかない)の二人と聞いて浮かんだのはこの二人でした。ifルートじゃない限りこいつらはオノリオ含め恋愛感情になることはないんですけど、でもそれはそれとしてループの中で一回ぐらいこんな回があってもいい。余談ですがスノードロップの花言葉は「慰め」「希望」そして「恋の始まりのまなざし」なんだそうです}



    10.[ダージリン:でも・花・待って]/バジル・ジュリアン
    ふわり、と紅茶の香りが漂う。机の上に買ってきたお菓子を並べれば、無機質な社員寮はあっという間に優雅なお茶会の会場へと変わる。この時間は、最近の二人のひそかな楽しみになっていた。丁寧に紅茶を入れるバジルの姿を見ながら、ジュリアンは言う。
    「いまだに信じられないよね~。その日の食べ物にすら難儀してた私が今やこーんなお高い紅茶のんでまったりしてるなんてさ」
    「…そうか?翼に入れたんだから、何もそこまでおかしなことじゃないだろ」
    そうだよ!なんて返しながらジュリアンは入れられた紅茶を手に取る。お高い、とは言うものの都市じゃむしろ高級品どころかむしろ庶民向けのそれは、裏路地出身の二人にとっては十分すぎるぐらい珍しいものだった。
    「そもそもさ、翼に入れたこと自体が不思議なんだって。今にも死にそうだった私たちを拾うなんて、ホクマー様は何考えてたんだろうね」
    「さあ?本人に直接聞いてみればいいんじゃないか」
    「ヤだよ。わざわざあのよくわかんない塔だらけの部屋に行って「何で私に入社の通知を出してくれたんですか~」なんて聞きに行くの?どうせ答えてももらえないのに」
    「だろうな。あの人は管理人以外眼中にない。俺たちが聞きに行ったところで時間の無駄だよ」
    「分かってるなら最初から言わないでよ!」
    何気ない会話をしながら、一つ、また一つ、とクッキーを食べる。
    可愛い動物や花の絵がプリントされたクッキーを躊躇なく割って食べるジュリアンの姿を、バジルは全く変わってないなと思いながら眺めていた。
    「…もし」
    「ん~?」
    「もし、自分にだけホクマー様からの手紙が届いていたら。お前ならどうしてた?」
    「え?んー…どうだろ。多分それでも入社してたんじゃないかな?やっぱり翼に入れる機会なんてそうそうないんだし。ましてやあんな場所にいたらさ。」
    「…そうか」
    「そりゃ、二人一緒に入れたほうがうれしいけどさ。でも、千載一遇の機会を逃すわけにもいかないじゃん?」「ていうか、そういうアンタはどうなの?自分だけ入社してた?」
    「蹴ってたよ」
    「…え?」
    さも当然のように返すバジルに、二の句が継げなかった。開いた口がふさがらないジュリアンを無視してバジルは続ける。
    「俺一人で行くぐらいなら蹴ってたよ。当然だろ」
    「いやいやいや待ってよ。翼に入れるチャンスだよ?それにあんなクソみたいな場所から抜け出すチャンスだよ」
    「だとしても、だ。俺はお前を残して行くほうが嫌だ。だから蹴る、それだけのことだよ」
    まっすぐとこちらを見据えて言うバジルから目を離すことができなかった。……よくもまあ、恥ずかしげもなくそんなことが言えたものだ。
    「はぁ……意味わかんない。バカじゃないの」
    まあ、そんなところも好きだから、こうして今もともにお茶会をしているわけだが。そんな本音はクッキーと一緒に飲み込んで、今日もジュリアンは悪態をつく。

    {何気ない一コマ…と見せかけて実は重さが隠しきれてないバジと、それに慣れ切ってるジュリの話。そういや幼馴染らしさを吸えてなかったな~と思ったのでこんな話になってしまった。花より団子なジュリと、団子よりジュリなバジ。これは完全に偶然なのですが、上の[雪の女王]のゴリが目を合わせられてないのに対してバジは目をそらさせないの、いい対比というかなんというかバジしてるなって思ってハッピーでした}



    4.[エルディアブロ](甘い・はじける・やっぱり)メアリー・ジョージア
    廊下中に立ち込める甘い匂い。じわじわと正気を奪われるようなその香りに、メアリーは頭がクラクラするのを感じた。周囲には美しい花の咲いた死体。まごうことなき[アルリウネ]の仕業だった。
    「っチ、やっぱりアタシ一人じゃ無理があるな。誰かに応援を頼むべきだったか……」
    中央本部第二チーム所属の彼女は、脱走したアルリウネを追って上層まで来ていた。しかし彼女の持つ武器[崇高な誓い]も決して相性がいいとは言えず、徐々に顔には疲れが現れていた。
    「……聞こえるかジョージア。分かってると思うけど、中央のアルリウネが脱走した。可能ならそっちからも戦えそうな奴らを見繕って応援に___」
    刹那。アルリウネの周りをカーテンのように薄紫の花が覆いつくす。通信に夢中でそれに気づかなかったメアリーは、真正面から攻撃を受けてしまった。
    (クソ、どこ行った……?これ以上死人を出したら二次災害がでちまうってのに……)
    花の香りにやられた頭では思考はまとまらない。浮かんだ考えは泡のように弾けて消える。代わりに浮かぶのは、焦りと、確かな殺意。ふらふらと廊下を出て、標的を探す。そうだ、あの怪物を。あの美しい姿の、悪魔のような存在を、一刻も早く殺さなければ___。
    「…リー。メアリー!」
    「…あ、れ。ジョージア?」
    「…やっと気づいた。しっかりして。私の目を見て。」
    気がつくと、安全チームのメインルームでメアリーは座り込んでいた。目の前ではジョージアが心配そうな、怒った顔をしている。
    「ッそうだ、アイツは、アルリウネは?」
    「ルビーさんとアラたちに任せたよ。もうすぐ鎮圧し終わる頃じゃないかな」
    「そうか…」
    どうやらアルリウネを追う最中に自分からの連絡を受け取った安全チームのメンバーとすれ違ったらしい。精神力はもちろん、散々ワープするあのアブノーマリティを追い続けたせいで体力も限界に近かったのだろう。ジョージアは後輩のハオとルビー、そして同じく上層にいたアラやポールたちにその場を任せて自分をここまで運んで治療してくれたんだそうだ。
    「悪いな、助かったよ…」
    「別に、あなたが無理するのはいつものことだし。どうせ今回もまた後輩たちに任せるのが不安だから、とか言って一人で飛び出してきたんでしょ?」
    「うっ」
    「…やっぱり。そんなことだろうと思ったよ。あなたの武器だって相性が悪いんだから、最初からこっちに連絡してくれればよかったのに」
    「ハハ……あんぐらいなら一人でもいけると思ったんだって。それにちゃんと連絡だって入れtいっってえ!!」
    ジョージアは思いっきり指でメアリーの額を弾いた。再生リアクターのおかげで一瞬で治る傷とはいえ、やはり痛いものは痛む。
    「っってえ…お、お前、思いっきりやったろ…」
    「いい加減反省して、ってこと。そういってこの前もうちに運ばれてきたばっかりでしょ、もう…。まあ、それだけ喋れるならもう大丈夫だね。さっさと行くよ」
    「へ?行くってどこにだよ」
    「結局[笑う死体の山]の脱走は免れなかったみたい。今中層からも人員が派遣されてるみたいだけど、私たちも急ごう」
    そういってジョージアは愛銃を構えてメインルームを駆け出して行った。結局こうなるのか、とぼやきながらメアリーも、むせかえるような花と血の匂いがする廊下を駆けていくのだった。

    {酒!赤い!メリ~~と思ったものの[ダージリン]とは違って酒飲んでる話にはできなかった。ので、酩酊状態と悪魔(=El Diablo)を意識してアルリウネ嬢に脱走してもらいました。カクテル言葉が「気をつけて」なのでほんとはどっかに盛り込みたかったけど、まあジョジとメリならそんなこと今更わざわざ言葉にもしないか、ジョジは半分あきらめてそうだし、と思ってたら抜けちゃった。てへ}
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    Replies from the creator

    Turtle_zeeta

    DOODLEたまには季節にあったものを書こうと思ったのでVDネタです。
    バジジュリが浴びたくなった。もっと言うなら高濃度ドスケベイタリアンハーブ野郎が浴びたくなった。そしてかわいいジュリも浴びたくなった。などと供述しており。
    More Than 3「はい、これ」
    ……いや、はい、じゃなくて。仕事終わった後に「渡したいものがある」って言うからついて来たのはいいんだけど。全然状況が分からない。誕生日先週だし、なんなら誕生日もネックレスもらったし。
    「何コレ」
    「チョコレートだが」
    「いやそれは見ればわかるけど。急に何?今日なんかあったっけ」
    「バレンタインデー、って言うらしい。オノリオに教えてもらったんだ」
    「......ふーん?」
    なんでもそのバレンタインデー?には恋人同士でお菓子を贈りあうのが当たり前らしい。私たちが育った裏路地ではそんな余裕がある人達ほとんどなんていなかったから知らなかったけど、そういえば巣のほうではそんなことをする、なんて話をオフィサー達がしてたような気もするし、今朝ニコルさんからもチョコクッキーもらったっけ。ニコルさんがお菓子作ってるのはいつものことだからあんま気にしてなかったけど、わざわざチョコ味ってことはこれもバレンタインの一環なのかな?
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