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    Turtle_zeeta

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    Turtle_zeeta

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    書かないつもりの小ネタが普通に一本の話になってましたとさ てへ

    【500】実行できませんでした。『_昨日はシャルロット達が新しく復帰した。多分明日にはポールたちが復帰して、これで24人揃うはず』
    ここまで日記に書いてジョシュアは気が付いた。自分を含め、これまでLobotomy社で働いていたのは9人。今日新たに復帰したのは11人。そして、おそらく明日復帰するはずの職員はポール、アカシア、クインの3人である。
    「……1人足りない」
    そう。全部を足しても23にしかならない。ノックスは今回のループで初めて出会った職員のため彼のことを含めずに数えると一人足りないのである。急いで戸棚から過去の日記を開いてみたが__
    「うーん、やっぱり書いてないな…」
    求めている情報は見つからなかった。あくまでジョシュアが引き継いでいるのはループ中の記憶である。ループがリセットされ、また「入社」の日を迎えれば職員がそれまでに持っていた物などもリセットされる。…E.G.O装備という例外はあるが。それでも以前のループと違い今彼女が存在するループのなかでは、E.G.O装備もすべて消失していたし、そもそも日記帳はE.G.Oではないため、当然彼女の日記帳もなくなっていた。しかし、そんなこともあろうかとジョシュアは出会った職員の名前を思い出せる限り日記帳のカバーの裏にメモしていたのだが。
    「アラ、メアリー、ジョージア、それから…、…サマーはもういなくて、……クイン、ポール、で、ノックスでしょ…。うん、やっぱり名前は全部揃ってる。いつも通りならこの三人が復帰するはずだから、やっぱり23人だよね?なんで私、24人、って書いたんだろう」
    何度数えなおしてもやはり自分の知っている生きた職員は23人だ。しかし、過去の日記にも、『今日は[笑う死体の山]を収容した。今の人数での鎮圧はやっぱり厳しい。24人揃う頃には楽々鎮圧できるようになってるかな』と、確かに24人そこに職員が存在したかのように書いている。
    「うーん……明日の朝、もう一度職員名簿を確認してみよう。もしかしたら私の数え間違いで最初から23人だったのかもしれないし」
    分からないことについてこれ以上頭を悩ませている余裕もなかった。明日もいつも通り、業務が待っているのだ。疑問を抱えたまま、ジョシュアは自分のベッドに入った。

    翌日。いつもと何ら変わらない業務を終えた、休憩時間。ジョシュアは足早に情報チームに向かい、職員名簿を確認した。
    「…マックス、ビクター、シャルロット……フィン」
    フィン。そうだ。その名前だけが、日記帳から抜けていたのだ。しかし、名前を見てもなお、この職員に関する記憶は不鮮明なままだった。依然ハッキリとしない記憶を抱えたまま、ジョシュアは件の職員__フィンが所属する、中央第二チームへと向かった。
    (……しまった。せめて他の人たちにフィンについて聞いておくべきだった)
    しかし足早に向かったはいいものの、ジョシュアはフィンの顔すらまともに思い出せていない。疑念と焦りが先走った結果である。ジョシュア中央本部の広いメインルームでさまよう羽目になってしまった。
    「…いや、今からでも遅くないよね。昨日もこっちに所属してた職員に話を聞けば」
    「ジョシュアさん?」
    不意に後ろから声をかけられた。振り向けば、自分と似た、切りそろえられた深緑の短髪姿で、微笑みを浮かべた青年が立っていた。E.G.O装備を着用していることから、オフィサーではないことが分かる。しかし自分は名乗った記憶どころか、彼とあった覚えすらない。戸惑いを隠せないジョシュアをよそに、青年は話を続ける。
    「あれ、違った?」
    「……いや、合ってるよ。私はジョシュア。ここでもうずっと働いてるんだ。君は…」
    「ボク?ボクはフィン。昨日からこの中央第二チームに所属になったんだ」
    よろしくね。と言いながら静かに笑う彼の姿は見覚えのあるものだった。月光装備のよく似合う、中性的でとらえどころのないミステリアスな青年。深緑の目は、今は蒼星のギフトによって隠されている。……以前もそうだった。彼の瞳はいつもギフトで隠されていたから、ジョシュアは彼の瞳をほとんど見たことがない。にもかかわらず、確かにその瞳を、森林のような落ち着いた視線をジョシュアは思い出した。__否、正確には、覚えていた。
    「…どうしたの?何か気になることでもあった?」
    「あ、ううん…なんでもないよ。これからよろしくね、フィン」
    そう言ってジョシュアは中央本部を後にした。今度は新たな疑問を抱えたまま。
    忘れるはずがない。死んだ職員も、元からいなかった職員のことすら記録に残しているジョシュアが、今を生きている職員のことを忘れるはずがないのだ。にも関わらず、彼女はついさっきフィン本人に会うまで彼のことを思い出せなかった。
    「…どうして」
    どうして、忘れていたのか。どうして、日記に残していないのか。そして、
    「…どうして、初めて会った時みたいな気分なんだろう」
    既視感。そして未視感。矛盾する二つの感覚を抱えたまま、ジョシュアは自分の業務へと戻った。



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    Turtle_zeeta

    DOODLEたまには季節にあったものを書こうと思ったのでVDネタです。
    バジジュリが浴びたくなった。もっと言うなら高濃度ドスケベイタリアンハーブ野郎が浴びたくなった。そしてかわいいジュリも浴びたくなった。などと供述しており。
    More Than 3「はい、これ」
    ……いや、はい、じゃなくて。仕事終わった後に「渡したいものがある」って言うからついて来たのはいいんだけど。全然状況が分からない。誕生日先週だし、なんなら誕生日もネックレスもらったし。
    「何コレ」
    「チョコレートだが」
    「いやそれは見ればわかるけど。急に何?今日なんかあったっけ」
    「バレンタインデー、って言うらしい。オノリオに教えてもらったんだ」
    「......ふーん?」
    なんでもそのバレンタインデー?には恋人同士でお菓子を贈りあうのが当たり前らしい。私たちが育った裏路地ではそんな余裕がある人達ほとんどなんていなかったから知らなかったけど、そういえば巣のほうではそんなことをする、なんて話をオフィサー達がしてたような気もするし、今朝ニコルさんからもチョコクッキーもらったっけ。ニコルさんがお菓子作ってるのはいつものことだからあんま気にしてなかったけど、わざわざチョコ味ってことはこれもバレンタインの一環なのかな?
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