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    Turtle_zeeta

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    Turtle_zeeta

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    # L社同名職員さん一堂に会する定期ワンライ より
    ジョシュア・オノリオ・イゴリー・マリツァの回です。スペシャル。
    1年間お疲れ様でした!

    ある日の勤務レポート賑やかな音楽と一緒にクリフォト警報が鳴る。暴走段階は第二段階。いつも通り、「黎明の試練」がやってくる時間だ。...今日は深紅の試練の日か。正直言って深紅の試練が一番苦手だなぁ。クリフォトカウンターを下手されるのも厄介だけど、倒したあとに自爆するのも侮れない。あれで何回死にかけたっけ...。なんて、考えてる場合じゃないか。急いでアラと一緒に廊下に向かわなきゃ。今は脱走したらまずいアブノーマリティも少ないけど、その分私たちも弱いままだから。

    情報チームに現れた深紅の黎明は[今日は恥ずかしがり屋]の廊下の前に現れた。ラッキー、この子の前ならカウンターを減らされることはない。落ち着いて、冷静に対処すればすぐに片づけられる。予想通り、アラと私でひきつけつつ、新しい職員……ノックスの射撃ですぐに片づけられた。
    「やったね~、ジョシュアちゃん!」
    「うん、すぐに片付けられて……危ない!」
    アラの背後で深紅の黎明が爆発する。今のアラは私よりも体力が少ない。一撃で瀕死になりかねない……!
    「わ、びっっっくりした!ジョシュアちゃんは大丈夫?」
    「う、うん。私は距離があったから。それよりアラは……」
    「あたしはだいじょーぶ!すぐ逃げたから!あたし足早いんだよ!」
    ふふん、と胸をおろすアラをみてほっとした。アラの足の速さを信じてないわけではないけど、それでもやっぱりちょっと不安になる。
    「お、お二人とも!」
    振り返るとノックスが私たちを呼んでいた。
    「大丈夫でしたか?とても大きな爆発でしたが……」
    「うん。私たちは大丈夫。それより何かあったの?」
    「ああ、上にいたはずのピエロがこちらに来てしまったみたいで……。僕達で対処するようにと管理人が仰っていて……」
    「え、それって……」
    ワープしてきたってこと?つまりコントロールチームの4人だけでは対処しきれなかったってことで……ジョージア達は無事かな、脱走するような子はいなかったはずだから、それだけが不安だけど……
    「それって大変じゃない!?あのワンちゃんのとこ?」
    「ええっと、そちらではなくて……」
    「[宇宙の欠片]のほうかな。急ごう」
    私たちは走って一つ上の階に急ぐ。4人の無事を祈ることしかできないのがもどかしいな。

    4人が頑張ってくれたおかげで、試練への対処は何とかなった。試練終了の音がなる。
    「危なかったねー!あのピエロさん、ちょっと怖いからあたし好きじゃないや……」
    「ぼ、僕も苦手です……ピエロってその、どことなく不気味で……」
    「あはは……私もあんまり好きじゃないかな」
    3人で笑いながら話す。人が少ないのは寂しいけど、こうやって話ができるのは今だけ。そう考えると、ちょっと心があったかくなる。
    「……あれ?」
    「…?どうかしたの、ノックス」
    「あ、ええとその。先ほどから変な音がする気がして……」
    変な音?と聞き返す前に私にも聞こえた。ザ…ザザ……というノイズのような音。[1.76MHz]のカウンターが0になった音だった。やっぱり間に合ってなかったらしい。”新人”のコントロールのメンバーに行かせるのは不安だから、と管理人から指名されてしまった。私も今は新人のはずなんだけどなぁ。でも、今は仕方ないか。
    ≪業務レポート・Day8≫
    AM 10:00 黎明の試練(深紅) 襲来
    死者 0名 脱走アブノーマリティ [1.76MHz]
    その他: そういえば、1.76MHzも脱走はしないけどカウンターがあるタイプのアブノーマリティだったね。すっかり忘れてた……。いまはあのwhiteダメージも痛いから、注意しなきゃ。(ジョシュア)


    しゅごーっっみたいな変な音と一緒に、警報の音が鳴った。もうそんな時間だっけ。今日の「白昼の試練」の時間だ!今日の白昼の試練は...えーっと、何色だったっけ……。掃除屋が来るやつだ。ま、何が来ても今のオレ達なら余裕だろ!なんせ憎しみちゃんから貰ったこの装備があるんだし!……なんて思ってたけど、オレ達は待機でいいらしい。コントロールと教育チームと、あとは中央と抽出チームだから、オレ達が応援に行くまでもないってことらしい。イゴリーは普通に[陰]に作業命令だされてた。さっさとオレ達とお揃いの勾玉もらってこいよな!

    「……掃除屋」
    「ん?なんか言ったか?」
    「ああいえ、何も。ただ、掃除屋にはあまりいい思い出がないので」
    「?なんかあったっけ」
    「...ああ、貴方は巣出身でしたね。「裏路地の夜」のことはご存じないですか?」
    「あ~!それか」
    「裏路地の夜」。夜中の3時ぐらいに掃除屋が来て、裏路地の「掃除」をするらしい。多分掃除っつってもゴミ拾いとかみたいなあれじゃないんだろうな...。前にも掃除屋が来た時にイゴリーが言ってた気がする。だからどんなに喧嘩してようが、3時前にはほとんどの人がいったんどっかに隠れるんだ、とかなんとか。正直オレは大人たちが子供たちを寝かせるための嘘だと思ってた、っていったらすげー顔されたんだよな...。
    「私たちの間では「人を溶かして燃料にする」とか、「子供をさらう」なんていわれてたんですよ。だから今でも掃除屋を見ると少し身構えてしまいますね」
    「コワ……そんなもん子供のころから聞いてたのかよ……」
    「はい。後者がどうだかはわかりませんが、少なくとも人間を溶かすというのはありそうですよね」
    「いやいやいや、溶かして燃料にするって、何の...」
    うぃーん。自動ドアが開いてイゴリーが戻って来た。……アイツ、またギフトもらってくるのミスったな。
    「お疲れ~。またもらえなかったん?」
    「...うるせぇ」
    「もう少し親身に作業してあげたほうがいいんじゃないです?」
    「抑圧作業に親身もクソもねえだろ」
    「あ、私も作業なので。失礼しますね」
    「っち、コイツ......」
    さっさと歩いてくニコルを見送る。いつの間にか掃除屋はみんな倒されてたらしい。ほかのチームでもいつも通り作業してるっぽかった。...あ、掃除屋といえば。
    「お前、掃除屋が人間溶かしてるってマジだと思う?」
    「は?んだよ急に」
    「いや、さっきニコルと喋ってたんだよ。掃除屋が子供攫うとか、人間溶かして燃料にしてるとか。マジなの?あれって」
    「さぁ?でも多分マジだと思うぞ。掃除屋って蒸気で動いてるだろ、そのための燃料にでもしてんだろ」
    「蒸気で動いてる?蒸気で動く武器、とかじゃなくて?」
    「アイツらが蒸気で動いてんだよ。あのよくわかんねえ金属のスーツみたいなやつが蒸気で動いてる」
    「でも、だとしても人間を溶かして燃料にする理由あるか?そもそもあの中だって人間が入って動かしてるはずだろ」
    「そこまでは知らねえよ。そもそも人間かどうかだって怪しいだろ、アレは」
    「は?」
    「あー、お前掃除屋が喋ってるとこみたことねぇんだっけか。今度聞いてみ?何言ってるかわけわかんねえから」
    なんだよそれ......とか聞く間もなく、オレも交代で作業が入ってしまった。戻ったら絶対教えてもらおう。……イゴリーは多分あてにならないし、ニコルに聞こう。うん。
    ≪業務レポート・Day30≫



    14:00 白昼の試練(青)襲来
    死者 0名 脱走アブノーマリティ なし
    追記: 結局掃除屋ってなにもんなんだ?ニコルもイゴリーも、ちゃんとしたことは知らないぽかったし。管理人なんか知ってる?(オノリオ)


    なんかよくわかんねえ音と一緒に警報音が鳴る。「夕暮の試練」が来たときの音だ。サーカスの音でも変なブザーみたいな音でもねえってことは、あの芋虫共が来るってことだろう。こいつらとエレベーターに箱詰めにされてんのも、多分そういうことだ。……にしても、
    「暑い」
    「おま、お前……今までオレ達が黙ってたことを……」
    「知るか。普通に考えてこの中に3人ぎゅうぎゅうに詰め込むのバカだろ」
    「貴方たちはいいじゃないですか。私なんてこれですよ?長袖に半分スライム状の上着ですよ?ベタベタするし暑いし、最悪ですよ」
    「確かにニコルのそれが一番厚着だよなあ……でもそれ冷たいんじゃないのか?」
    「外側だけです。中身までスライムまみれなわけないでしょう」
    そらそうだ。ワイシャツベッタベタになるだろそんなの。最悪なんてもんじゃねえ。
    「というか、そもそもこんなに業務が長いのも久しぶりですね。もうノルマ分は回収しきったはずでしょう」
    「それな。オレ達もう上がってもいいはずじゃね?」
    「最近入った新人の方々のためでしょうか」
    「あー...」
    なるほどな、とオノリオが呟く。最近管理人が大量に新人を雇ったせいで配置異動が大量にあった。俺達も例にもれず、揃って福祉チームに異動させられたわけだが。なんで一旦ばらしたのをわざわざもう一回集めたんだか……。
    「でも俺たちの時はこんな残業しなかっただろ」
    「そーーか?オレ達もこれぐらいやったと思うぜ」
    「少なくとも夕暮の前には終わってたろ」
    「私たちが新人だったころは夕暮の試練なんてものはありませんでしたよ」
    「…それもそうか」
    あとは[笑う死体の山]に対抗できる先輩方が少なかったのもあるかもしれません、なんてニコル分析してたが、そこは正直どうでもいい。さっさとあの芋虫共を片付けて、めんどくせぇ仕事を終わらせたい。そんなことを考えてた矢先だ。
    「…というか、貴方のせいでもあるんじゃないですか?」
    「は???」
    ニコルが急に訳わかんねえこと言い始めた。いや変なこと言うのはいつものことか。別に急でもねえわ。
    「俺もうステータスカンストしてっけど」
    「そうじゃなくて!その帽子ですよ。貴方[陰]のギフト捨ててそっちの帽子かぶってるじゃないですか」
    「あっ確かに!お前オレ達とのお揃い捨てやがって!」
    いやこれは好きで被ってるわけじゃねえんだけど。たまたま入れられた[レティシア]の収容室であのチビに押し付けられただけだし。というかお揃いはお前が勝手に言い出しただけ「そうですよ!せっかく3人でお揃いにしたのに」…お前もかよ。
    「文句はあのチビに言えよ。俺だって好きでこんなん被ってる訳じゃねえ」
    「でしょうね」「だろうな」
    「何なんだお前ら」
    ……本当に何なんだ。訳わかんねえこと言って結託しやがって。俺が言い返す前に、管理人から命令が飛ぶ。どうやらあの芋虫共がこっちにくるらしい。
    「命令来ましたね」
    「んじゃ行くか~!オレ達が早く帰れるかどうかは、イゴリー次第ってことで」
    「俺じゃなくてあの勾玉次第、な。早く帰りてえならアイツに頼め」
    「無茶言うなって!」
    アイツどーみても言葉通じねーじゃん!とか何とか言ってるオノリオを無視して飛び出す。さっさと鎮圧して、そんでギフトもらってさっさと帰るか。少なくともこの帽子よりはあの勾玉のほうがましだ。...決してお揃いがどうとか、そういうことじゃない。
    ≪業務レポート・Day37≫




    3時半 夕暮れの試練
    死者 0 脱走アブノーマリティ なし
    追記: エレベーターもっと広くしてほしい(イゴリー)




    警報音が2回鳴る。確か、暴走段階が特定まで進むと「試練」っていうのが来るんだったはず。入社初日に会った福祉チームのチーフさん、...ニコル先輩がそう仰っていた。実際、これまではよくわからないピエロや芋虫、あとは変な石碑みたいなのもいた気がする。そういうのがやってきて、研修中の私の代わりに先輩方が倒してくださっていた。それで、研修が終わった今日からは私も先輩達のように戦う……。と思ってたのに、今日の「試練」はあの石碑でも芋虫でも、ピエロでもなかった。私がここL社に来るまでに何回か見た、「便利屋」で...れっきとした人間だった。怖くて思うように動けなかった。新しいチームのノアチーフに聞いても、「ハァ?俺に聞かないでください」って言って相手してもらえなかったし。......本当に申し訳なかった。自分が思うように戦えずに迷惑をかけてしまった。次こそは、少しでも役に立てるようにしなきゃ……。とりあえずまずは管理人の命令通り上層?のエレベーターに行かなくちゃ。

    エレベーターに行くと、そこにはたくさんの職員さんが集まっていた。そこには福祉チームにいたあの強面の先輩と、いつも笑顔の先輩もいた。......全員ここにいるのかな。も、もしかして全員で試練と戦う、とか......?大丈夫かな、迷惑かけないかな……。そんなことを考えていたら、誰かとぶつかってしまった。
    「あ、すすすみません、怪我はっ......」
    「いえ、大丈夫です。そちらこそ、怪我は......貴女は」
    「あ、ええと、ニコル先輩……?お久しぶり、です……。」
    「はい、お久しぶりですね、マリツァさん」
    ぶつかってしまったのはニコル先輩だった。あのお二人がいるならニコル先輩もいても可笑しくないよね……。
    「本当にごめんなさい……。」
    「大丈夫です。こんな狭いエレベーターですからぶつからない方が無理です」
    「すみません……。ところで、その……」
    「はい、何でしょう」
    「きょ、今日の試練はどうなってるんでしょうか……?その、今までとは違う気がして…」
    ふむ、と手を口元にあててニコル先輩は考える。や、やっぱり聞かないほうがよかったかな。困らせちゃったかな……?しばらくして、
    「すみません、私にもよくわかりません。掃除屋が来ることは何度かありましたが、何せ便利屋に会うのは私も初めてなので」
    「そうだったんですね……すみません、おかしな質問をしてしまい」
    「いえ、私も気になっていたので。……しかし、まさか便利屋が来るとは。これでは深夜には何が来るんでしょうか」
    「深夜……?」
    「マリツァさんは深夜の試練は初めてでしたか?」
    「は、はい」
    困っている私にも、ニコル先輩は丁寧に説明してくれた。試練は黎明、白昼、夕暮、深夜
    の4段階で、暴走段階が進むごとにより強くなること。そしてこの後来るのは一番最後の「深夜」だということを。
    「例えば琥珀の深夜であれば、モグラとトラバサミの中間のような芋虫が、緑青であれば情報チームに大きな機械が出現し回転レーザーを放ちます」
    「そ、そうなんですね……。」
    今まで見たのの進化したようなのが来るんだ……。だとしたら、今日は便利屋がもっといっぱい来たり……?そんなことを考えていたら、近くの廊下で何かをひっかくような嫌な音がした。そっと窓から姿を見てみようかな……。
    「あ、あれって……。」
    「何か見えましたか?生憎この身長では何もわからなくて」
    「[爪]です...…!どうして、どうしてこんなところに……」
    「どうしてかはわかりませんね。管理人が何かやらかしたのではないでしょうか」
    「か、管理人が……!?」
    「冗談です。……つまり私たちは今から[爪]と戦うと」
    妙に納得した顔の先輩についていけなかった。戦うことは決定事項なのかな……怖いけど、管理人の命令なら逆らっちゃいけない、よね……。すこしでも役に立てるように、私も頑張らなくちゃ……!

    ≪業務レポート・Day46≫
    PM 17:00 爪 襲来
    死者 0名 脱走アブノーマリティ なし
    追記: 人間を殺しました。便利屋も爪も、強かったけどあの化け物達とは明らかに違いました。……明日からもあの人たちが来るんですか?(マリツァ)

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    Turtle_zeeta

    DOODLEたまには季節にあったものを書こうと思ったのでVDネタです。
    バジジュリが浴びたくなった。もっと言うなら高濃度ドスケベイタリアンハーブ野郎が浴びたくなった。そしてかわいいジュリも浴びたくなった。などと供述しており。
    More Than 3「はい、これ」
    ……いや、はい、じゃなくて。仕事終わった後に「渡したいものがある」って言うからついて来たのはいいんだけど。全然状況が分からない。誕生日先週だし、なんなら誕生日もネックレスもらったし。
    「何コレ」
    「チョコレートだが」
    「いやそれは見ればわかるけど。急に何?今日なんかあったっけ」
    「バレンタインデー、って言うらしい。オノリオに教えてもらったんだ」
    「......ふーん?」
    なんでもそのバレンタインデー?には恋人同士でお菓子を贈りあうのが当たり前らしい。私たちが育った裏路地ではそんな余裕がある人達ほとんどなんていなかったから知らなかったけど、そういえば巣のほうではそんなことをする、なんて話をオフィサー達がしてたような気もするし、今朝ニコルさんからもチョコクッキーもらったっけ。ニコルさんがお菓子作ってるのはいつものことだからあんま気にしてなかったけど、わざわざチョコ味ってことはこれもバレンタインの一環なのかな?
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