おほしさま『親と話した。大学出てもバスケ続ける』
暗くてコートが見えないからと、リビングの明かりをつけに戻ろうとしていた足が止まる。そのまま腰を下ろし、「うん」だけじゃ昇華しきれなかった衝動のままに寝転がる。さっきまで真っ暗だったはずの空に急に星が瞬きだしていてびっくりした。
持っていたボールを空に掲げ、指先で回す。釣られて他の星も回らないかな。この、俺のボールが北極点。
『お前にも言っておこうと思って。テツさんに色々相談に乗ってもらったから』
しゅる、動きを止めかけたボールを残りの指で再び押しまわす。満点の星空の下で、一人懸命に夜空を回す働き者の北極点。
「テツが深津さんにバスケ辞めさせるわけないスもんね」
『…気にかけてくれたピョン』
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