星を戴いて　本の話(あとがきに入らなかったところ)まず初めに、お手に取ってくださり本当にありがとうございました🙏今更ながらこういうの描きたかったな、というのをちょっと書いてみようと思います。あとがきに入れたくても入らなかったので…。自分でも本何描いたか忘れかけてて久しぶりに読み返したら「？」ってなる所が多かったので、読みにくい箇所の説明になれば良いなと思いました。
ただ去年のメモ読み返してみると本当に気持ち悪かったのでキモさが滲み出ていたらすみません。


伊之助くんとアオイちゃんがほんともう気持ち悪いくらいに大好きなんですが、中でも原作のその後の2人が描かれる二次創作が大好きです。(原作軸)最終回では子孫を残したという事実だけで終わっちゃったのでその後の2人がどうなったか気になる！という感じで妄想を膨らませられるのが楽しくて。

忠と暦が墓参りする話そんなに堅苦しくなくていい、そう暦に言った本人は、真夏の太陽が照りつける中でも相変わらずのスーツ姿だった。いつもと違うところといえば、それが礼服であることと、そのネクタイが真っ黒なことだろうか。
暦が父から借りたスーツは、肩幅は少し大きく、丈は少し短かった。墓前で膝をついて手を合わせる忠の背中はいまにもとけていなくなってしまいそうで、まだ目の前にいる、ということを照り返すような日差しの中で再確認する。忠の父親が眠る墓。暦にとっては全くの他人だが、そう言い切ってしまうのも何かが違うような気がした。見よう見まねで墓前に手を合わせると、なんとなく世界に暦と忠だけになってしまったような錯覚に陥った。
「……すまない、付き合わせてしまって」