現代AU冰秋夏も終わったはずなのにまだ蒸し暑さをおぼえる午後、いつものように憧れの家庭教師である沈垣先生を迎えるといつもと違う彼が玄関前に立っていた。
「垣先生、これは?」
「プレゼント」
喜んでくれるか、というか押し付けるみたいなものだから要らなかったら置物にでもしといてよ、と手渡されたのは可愛らしいキラキラとした紙に包まれたいわゆるゲーム機だった。
「こんな高価なもの、俺なんかに⋯!」
「受け取ってくれると嬉しい、そして⋯」
「そして?」
「俺と一緒に大会に出てほしいんだ⋯!」
先生の話をまとめるとこういう事だった。
さかのぼること2日前、先生は御学友と大学にてサークル活動を行っている際に、議論がちょっとだけ、少し、いやかなりヒートアップしてしまい、2人がハマっているこのゲームで決着を付けることになったらしい。
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