嫌いじゃないが好きでもない(ボーラ×ドクター♂×ボーラ)「ボーラさん製造日おめでとうございます! 付き合ってください!」
「……」
ひょんなことから知り合った若きアンドロイド技師からこうやって告白を受けるのは何度目だろうか。もはや両手両足の指ではとうに足りないだろう。ボーラはまたかと渋い顔をしながら溜息をつき、あっちへいけと手の甲を振った。
「お前……何度断ったと思ってる?」
「今日で記念すべき一一三回目です!」
「数えるな。あと何度言われてもごめんだ。いい加減、面倒だから二度と口にするな」
「そ、そんなぁ」
冷たくあしらうのも二度と言うなと言うのも今回が初めてじゃない。それでも目の前の人間の男は決して「はい」とは言わずにボーラの心を得ようと、駆け引きとも言えない言葉を繰り返していた。
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