UwU ふわふわとした丸っこい毛玉がいたるところに転がっている。
凛のこの場所に対する第一印象はそんなところだった。
しかし毛玉ひとつひとつは驚くほどの軽快さで、別の毛玉に飛び掛かったりそこそこ広い空間を駆けまわったりと忙しそうだ。
恐らくは小型犬から中型犬。しかも本当にパピーと呼ばれるくらいの年齢の犬たちがそれぞれ好き勝手に走り回る空間で、凛はただ息を潜めてどうするべきかを思案していた。
「うわ、やっばぁ……!」
そうして凛の隣に立っていた潔は黙ったまま立ち尽くす凛とは正反対に、いつも以上に口元を緩ませてから声を上げる。
ついでにためらいも無く一番近くの子犬に近寄っていくと、その場にしゃがみ込んで薄茶色のトイプードルの毛並みをわしゃわしゃと撫で始めた。
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