【結婚についての会話】
真「もう28歳なのね、私達。」
実「そうだね姉さん。」
「28歳...年齢的に思い浮かんだ話題なんだけどさ、姉さん的にいい人いないの?」
真「ん?あー、結婚ね。」
「私より、実の方が結婚できそうじゃない?」
実「僕?じゃあ僕に彼女がいて、その人と仲睦まじげに話している様子が姉さんには浮かぶの?」
真「そうね、実が緊張していることを相手に悟られまいとぎこちなく話している様子が浮かぶわね。」
実「そこまで浮かばなくていいよ!?」
真「じゃあ私に彼氏がいたとして、私の生活に彼氏がついて来れると思う?」
実「いや、彼氏さんは呆れて姉さんから離れていくと思う。」
真「でしょ?よく分かってるじゃない。」
実「...お世話してあげてる弟に感謝してくださいね。」
真「ええ、日々感謝しているわ。」
実がだらしない姉の面倒を見ているのは、幼い頃に恩があるから。
両親がいなくなってしまった件で実は心を閉ざしてしまった。そんな実にずっと寄り添ってくれたのが姉の真。実の悲しい記憶が少しでも和らぐように話しかけたり、他人を交えて話す際に実をサポートしたりしていた。そんな姉のおかげで弟の心は回復していった。
真が担当している依頼について実はよく聞いてそう。
「人探しの件、順調?」「浮気調査の件だけどさ、姉さんまで巻き込まれないでよ?」
とか聞いてる。実は調査ではなく事務仕事を担当しているので、調査に向かう姉を心配している。
真は実が自分を心配していることを知っていて、依頼人やその件の関係者と深く関わることは基本的にはない。矛先が自分に向けられることや厄介な問題が増えないためにそうしている。気が合ったり利害が一致して信用できる相手だったらより関わりをもとうとする場合がある。