【高校時代からWeek3に至るまで】今日はBFとのデートの日だ。路地裏に集合して暫く経つが…アイツまだ来ねぇのか
B「Pico」
P「お、やっと来たか　随分遅いじゃねぇ…」


B「…どうだ？この服」
P「お前、その格好…」
B「へへっ俺、お前と同じような服着たくてな！似合うか？」
そう言って嬉しそうに見せてきた。
俺と同じ赤い髪色に、Pと書かれたシャツの上にジャケットを着ている

似合わないわけないだろ
相変わらず可愛いやつだな

P「あぁ、似合ってる　流石"俺のBF"だぜ」
B「俺のって…そんなこと言われると照れるな…」


P「そうだB、俺と一緒に配信しないか？」
B「え　俺は良いんだがPicoは良いのか？」
P「良いも何も、俺から誘ってんだぞ？それに、お前とデートしてることリスナーに自慢してぇんだよ」
B「…！！Picoが良いなら！」
俺は自慢したさに呑まれ、勢いでデート配信を始めた


…チャット欄…

『あれ？今日配信あるの！！』
『急に配信通知が飛んできたので来ました！』
『Pico様〜〜！！！』


B(すげ…今始めたばっかなのにもうコメントが…)
P(まぁ、いつも固定で観てくれんのは100人余りだけどな)
P「突然で悪いな、お前ら　今日は歌の配信ではないんだがな、オフデートの配信だぜ」

『オフデート！？』
『神回確定』
『お相手さん見たいです！』

見たい…か、凄い勢いで食いついてくるな　まぁ当たり前なこったな

/ｸﾞｲｯ
P「コイツが俺のBFだ」
B「！？？」
B「…Be……！」
…BFのやつ、かなり緊張してるな

P(B、肩の力抜け　俺がついてるから、いつものお前らしく振る舞ってみろ)
B(…！おう…！)

B「…よぉ、リスナーの皆！Picoとのデート楽しんでるぜ！」
そう言って画面の前で笑顔でVポーズを見せる


『可愛い〜！！』
『服も二人揃って同じカラーで良いな♡』
『お似合いだねぇ』


コメントも盛り上がってきたな　それも当然か、俺のBFだからな




『え〜私がPico様の彼女になりたかったなぁ』
『確かに、なんでこの子だけなん？』
『ちょっと…争いはやめなって…』

P「あ？どういうことだよそれ」

『だって彼、男の子だよ？男同士で付き合うなんて納得いかない！』
『それ思った！てか、私ともデートしてください〜』

P「んだとテメェら、俺のBFに文句あんのか？」
B「Pico俺は大丈夫だから！な？」






『こんな未熟者、Picoとは釣り合うはずがない』

B「…」



*




【配信終了】

P「チッ　分かってねぇなコイツら」
B「いや、この人達は分かってた」
P「……それどういう意味だよ」
B「俺は…お前に対しての一人のファンでもある
こんなにもファンがいるのに、俺みたいな未熟なやつはまだまだ釣り合わないと思うんだ…
ファンとしても失格だ」
P「BF…待て、俺はお前が未熟だとは
B「出直してくる…暫く連絡するのは止してくれ」

P「BF、行くな…B！！」
B「ｯ…！」
BFは遠くへ走り出してしまった。俺の声が届かなくなる遠い曲がり角へ消えていった

「…んだよ、遠回しに俺とは合わねぇからもう連絡取るなってことかよ。」

今は1000人余りのファンしかいねぇが、ジワジワと俺と別れたことを後悔させてやる




*





【Week3終了付近】

P「人気があるようだが、気をつけたほうがいい。短期間でこれだけの人気を得るのは危険だ」
B「…？」


ったく…俺が負けるなんて…
1000万人超えの配信も半分以上があのションベン野郎のことを好きで観ていたとは……クソが
俺はただアイツに俺がどれだけ注目を浴びていて、どれだけ雲の上の存在になったかを分からせて後悔させてやるつもりだった…
しかしやってみたらこの有様だ。実際BFの方が人気は高いし、やつを狙い始める低脳も沢山いる…

…







BFは"俺のモン"だ

他の誰のモンでもねぇ　最初から目をつけていて、共に過ごした時間も長い、俺だけのBFだ
ロクにBFのことも知らない愚民共にアイツを渡したくねぇ


絶対取り返して同じ地位に立たせてやる