💛💜♀ 付き合っていることを内緒にしている二人 ざっ、と誰かが転んだような音がした。俺は無意識にそっちを見て、目を見張った。
大抵の人ならスルーしただろう。たとえば、仲のいい男友達なら笑って終わらせるし、クラスの女子なら俺より仲のいい女子や先生が助けるだろうって。
でも、違った。転んだのはシュウだった。しかもシュウの半パンから覗く膝には血が滲んでいて、俺は考えるより先に走り出していた。
「シュウ!!」
「ル、わっ?」
「先生! 保健室行ってきます!」
陸上部だし、何かと怪我には慣れていた。それなのに、シュウの真っ白で細い膝にできた傷には冷静でいられなくて、グラウンドに座り込んだままのシュウを無理やり抱え上げた。
バランスを崩したシュウは慌てて俺の首に腕を回して、俺はそれをいいことに校舎に走り出した。
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