寝てる赤也にキスをする種ヶ島の話.
※時間軸は適当だけど種赤がダブルス組んだあとのお話。
さて、どうしたもんやろか。
気持ちよさそうに船を漕ぐ後輩を前に俺は小さく呟いた。
後輩──もとい、切原赤也を見つけたのは偶然やった。
消灯時間が差し迫った宿泊施設内を一人歩いていると誰も居なくなった談話室で赤福は静かに眠っていた。
「赤福……?」
名前を呼んでみても返事はなく、ただ規則的な呼吸音が返ってくるだけ。どこか具合でも悪いのかと顔を覗き込めばそこには安らかな寝顔があるだけやった。
「赤福ー」
「……」
「こんなとこで寝たら風邪引くでぇ?」
「……」
何度声を掛けても赤福は目を覚まさへんかった。
それもそうやろう。普段から寝付きの良さでは誰にも負けないと豪語してるコイツのことや。
2096